🚨 人員配置を偽り指定取得|「デーツ事業所」が指定取消処分 訓練等給付費の不正請求も認定
札幌市は2026年7月23日、 隼ホールディングス株式会社が運営する 「デーツ事業所」について、 障害者総合支援法に基づく 指定取消処分を行いました。
札幌市によると、指定申請時に人員基準を満たしているように装い指定を受けたほか、 実態を伴わない所在地での申請、不適切な個別支援計画の作成、人員欠如を把握しながら必要な措置を講じなかったこと、 さらに訓練等給付費の不正請求が認定されています。
※本記事について
行政処分の内容・処分理由は札幌市の公表資料をもとに整理しています。
監査開始の経緯や不正受給額、返還額などについては、報道内容を引用する場合に「報道によると」と明記しています。
1 事業所の概要
| 運営法人 | 隼ホールディングス株式会社 |
|---|---|
| 代表者 | 代表取締役 垣内 和太流 |
| 事業所名 | デーツ事業所 |
| サービス種別 | 就労継続支援B型 |
| 指定年月日 | 令和7年6月1日 |
| 所在地 |
札幌市東区北38条東14丁目2番11号 📍 Googleマップで確認 |
2 行政処分の内容
| 処分内容 | 指定取消 |
|---|---|
| 公表日 | 令和8年7月23日 |
| 効力発生日 | 令和8年8月1日 |
| 法的根拠 | 障害者総合支援法第50条第1項第5号・第6号・第9号・第11号 |
| 主な処分理由 | 不正の手段による指定、運営基準違反、不正又は著しく不当な行為、訓練等給付費の不正請求 |
3 違反内容①|人員基準を満たしているように装い指定を取得
違反類型:不正の手段による指定
札幌市によると、デーツ事業所では指定申請時(令和7年6月1日)、 管理者兼サービス管理責任者や直接処遇職員(職業指導員・生活支援員)が 実際には配置されていないにもかかわらず、 人員基準を満たしているように申請し、指定を受けていたとされています。
また、実際には事業所としての実態を伴わない場所を所在地として届け出ていたことも、 指定取消理由の一つとなりました。
| 問題となった内容 | 人員基準を満たしているように装って指定申請 |
|---|---|
| 人員配置 | 管理者兼サービス管理責任者・職業指導員・生活支援員が実際には配置されていなかった |
| 所在地 | 事業所としての実態を伴わない場所を所在地として申請 |
⚠️ 指定申請時の人員基準は最も重要な審査項目です
障害福祉サービス事業所は、サービス管理責任者や生活支援員など、 法令で定められた人員基準を満たしたうえで指定を受けます。 そのため、指定申請時に虚偽の内容で指定を受けた場合は、 指定取消となる重大な違反に該当します。
4 違反内容②|適切な個別支援計画に基づかないサービス提供
違反類型:運営基準違反
札幌市によると、デーツ事業所では、 指定住所とは別の住所を実質的な運営場所としていたほか、 サービス管理責任者以外の従業者による面談結果をもとに、 個別支援計画を作成していたとされています。
このため、条例で定める運営基準に従った適切なサービス提供ができていないとして、 行政処分の理由となりました。
| 実質的な運営場所 | 指定住所とは別の住所で運営 |
|---|---|
| 個別支援計画 | サービス管理責任者以外の従業者による面談結果をもとに作成 |
| 札幌市の判断 | 適切な個別支援計画に基づかないサービス提供 |
💬 現役介護士の視点
個別支援計画は、利用者一人ひとりの目標や支援内容を決める「支援の設計図」です。 サービス管理責任者によるアセスメントや評価は制度上の重要な役割であり、 形だけの計画になれば、利用者への支援の質にも大きく影響します。
5 違反内容③|人員欠如を把握しながら改善措置を講じず
違反類型:障害福祉サービスに関する不正又は著しく不当な行為
札幌市によると、デーツ事業所では、 人員基準を満たしていない状態を把握していたにもかかわらず、 必要な改善措置を講じなかったとされています。
サービス提供体制に問題があることを認識しながら是正しなかったことから、 障害者総合支援法に規定する 「障害福祉サービスに関し不正又は著しく不当な行為」 に該当すると判断されました。
| 把握していた事項 | 人員基準を満たしていない状況 |
|---|---|
| 問題となった点 | 改善措置を講じず事業を継続 |
| 札幌市の判断 | 障害福祉サービスに関する不正又は著しく不当な行為 |
⚠️ 人員不足を把握した場合は速やかな是正が必要です
事業所運営では、人員基準を満たさない状態が判明した場合、 速やかに職員配置の見直しや行政への届出など、 必要な対応を行うことが求められます。 改善を行わず事業を継続した場合は、 行政処分の対象となる可能性があります。
6 違反内容④|訓練等給付費を不正請求
違反類型:訓練等給付費の不正請求
札幌市によると、 デーツ事業所では、不正の手段によって指定を受けた結果、 本来請求することのできない 訓練等給付費を請求・受領していたとされています。
このため、訓練等給付費の請求に関する不正があったとして、 指定取消理由の一つとなりました。
| 不正請求 | 訓練等給付費 |
|---|---|
| 札幌市の認定 | 不正の手段により指定を受けたため、本来請求できない給付費を請求・受領 |
報道による不正受給額
札幌市公式資料では具体的な金額は公表されていません。
一方、報道によると、 デーツ事業所を運営する隼ホールディングス株式会社は、 約1,600万円の訓練等給付費を不正に請求・受領したとされています。
また、札幌市は加算金を含め、 返還額は約2,200万円になる見込みとしています。
報道によると、 デーツ事業所を運営する隼ホールディングス株式会社と FLAP株式会社はグループ企業とされています。
同日には、FLAP株式会社が運営する 「エルロン事業所」についても、 同様に指定取消処分が行われました。
7 発覚から処分までの経緯
| 令和7年6月1日 | デーツ事業所が就労継続支援B型事業所として指定。 |
|---|---|
| 令和8年3月~4月 | 報道によると、「適切な支援が行われていない」とする複数の情報提供が札幌市へ寄せられました。 |
| 令和8年5月下旬 | 札幌市が監査を実施し、職員への聞き取りなどから不正が判明したと報じられています。 |
| 令和8年7月23日 | 札幌市が指定取消処分を公表。 |
| 令和8年8月1日 | 指定取消処分の効力発生。 |
今回の事案では、 人員基準を満たしていない状態で指定を受けたことだけでなく、 個別支援計画の作成方法や実際の運営場所、人員不足を把握しながら改善しなかった点など、 事業運営全体に関わる複数の問題が認定されています。
就労継続支援B型では、 利用者一人ひとりに合わせた個別支援計画を作成し、 その内容に基づいて支援を行うことが制度の基本です。 これらが適切に行われなければ、 利用者が本来受けられるべき支援の質にも影響します。
また、今回の行政処分では、 同じ岐阜県のFLAP株式会社が運営する 「エルロン事業所」も同日に指定取消処分となっています。 報道では両法人をグループ企業と説明しており、 運営実態について共通する問題が確認されたと報じられています。
よくある質問(FAQ)
Q1.処分内容は何ですか?
A.障害者総合支援法に基づく指定取消です。
効力発生日は令和8年8月1日です。
Q2.どのような違反が認定されましたか?
A.不正の手段による指定、運営基準違反、不正又は著しく不当な行為、訓練等給付費の不正請求が認定されています。
Q3.不正請求額はいくらですか?
A.札幌市の公表資料では金額は公表されていませんが、報道では約1,600万円とされています。
Q4.返還命令はありますか?
A.報道によると、札幌市は加算金を含めた返還を求めています。
Q5.関連会社も処分を受けていますか?
A.はい。同日にグループ企業とされるFLAP株式会社の「エルロン事業所」も指定取消処分となっています。
関連リンク
・
FLAP株式会社「エルロン事業所」の行政処分
・
就労継続支援B型の行政処分事例一覧
・
不正請求の行政処分事例一覧
・ 札幌市「指定取消し及び指定の効力の停止」(2026年7月23日公表)
・ Yahoo!ニュース(北海道文化放送)「人員基準を満たしているかのように装い計約2200万円を不正受給…札幌市内で就労支援施設を運営する岐阜県の2事業者に対し指定取り消し」
※本記事は札幌市の公表資料および報道内容をもとに作成しています。
※行政処分は公表時点の事実であり、現在の運営状況やサービス内容を示すものではありません。
⚖️ 法的な背景解説|障害者総合支援法における指定取消
1.指定取消とは
指定取消は、障害福祉サービス事業者に対する最も重い行政処分です。
取消後は原則として障害福祉サービス事業を継続できなくなります。
2.不正の手段による指定
指定申請時に虚偽の内容で人員基準や設備基準を満たしているように装った場合、
障害者総合支援法に基づく指定取消の対象となることがあります。
3.個別支援計画の重要性
個別支援計画は利用者ごとの支援目標や支援内容を定める基本となる書類です。
適切なアセスメントやサービス管理責任者による作成が求められています。
※本解説は制度の一般的な内容を整理したものです。

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