八尾市「テイラーズ・ギルド」を指定取消|就労移行支援体制加算など約4.4億円の不正受給認定(2026年5月)

🚨 八尾市「テイラーズ・ギルド」を指定取消|就労移行支援体制加算など約4.4億円の不正受給認定

大阪府八尾市は2026年5月27日、就労継続支援A型事業所 「テイラーズ・ギルド」 について、障害者総合支援法に基づく指定取消処分を行うと発表しました。 八尾市によると、就労移行支援体制加算の取得を目的として、利用者を親族企業へ就職したように装うなどの不正受給が確認されたとされています。 市は2022年8月から2026年3月までの間に、28自治体から約4億3900万円が不正受給されたと認定しています。

※本記事について
本記事は八尾市の発表内容および報道機関による取材記事をもとに作成しています。 行政処分の内容は八尾市の認定事実に基づいて記載しており、一部の経緯や関係者への聞き取り内容は報道内容を整理したものです。 なお、運営法人側は「偽装する意図はなかった」と説明していると報じられています。

1 対象事業者の概要

事業所名 テイラーズ・ギルド
サービス種別 就労継続支援A型
所在地 大阪府八尾市
運営法人 NPO法人(八尾市公表資料による)

2 行政処分の内容

処分内容 指定取消
発表日 2026年5月27日
効力発生日 2026年6月30日

違反内容|就労移行支援体制加算を巡る不正受給

八尾市によると、テイラーズ・ギルドは2025年4月、利用者38人が一般就労したとして 「就労移行支援体制加算」の対象者を届け出ました。

このうち22人が、運営法人代表者の親族が関与する企業へ就職していたとされ、 市は監査を実施しました。

報道によると、聞き取りに応じた15人はいずれも就職先企業から具体的な業務指示を受けておらず、 従来どおりテイラーズ・ギルドでパソコン資格取得の学習などを続けていたとされています。

その後、半年間の契約期間終了後に再びテイラーズ・ギルドへ戻るケースも確認され、 八尾市は少なくとも15人について労働実態がなく、 「加算取得を目的とした偽装就職」と判断したとしています。

3 市が認定した主な不正行為

  • 利用者22人を親族企業へ就職したものとして加算申請
  • 少なくとも15人について労働実態が確認できなかったと市が認定
  • 一般就労後3年間は加算対象にならない利用者3人を再度加算申請
  • 事業所を利用していない利用者1人を加算対象として申請
  • 勤務実態のない法人代表者を専門職員として届け出て別の加算を取得

八尾市はこれらを総合的に判断し、障害者総合支援法に基づく指定取消処分を決定しました。

4 不正受給額は約4.4億円

八尾市によると、不正受給額は2022年8月から2026年3月までの間で 約4億3900万円に上るとされています。

市が認定した不正受給額 約4億3900万円
自治体数 28自治体
八尾市返還請求額 約2億4000万円(加算金含む)

加算金は利用者が居住する自治体から支払われる仕組みであり、 八尾市以外の27自治体についても返還請求を検討していると報じられています。

⚠️ 利用者への影響

報道によると、テイラーズ・ギルドは在宅利用者を含め、 毎月約120人が利用していたとされています。

指定取消処分となれば、利用者は新たな就労支援事業所を探す必要が生じる可能性があります。

特に就労継続支援A型は雇用契約を結ぶサービスであるため、 利用者の収入や生活にも影響を及ぼす可能性があります。

💬 現役介護士の視点|制度の趣旨を逆手に取れば信頼は失われる

就労移行支援体制加算は、障害のある方が一般就労へ移行し、 地域で自立した生活を送れるよう後押しするための制度です。

だからこそ加算額も高く設定されています。 一方で、就職実績だけを追い求め、 実態を伴わない形で制度を利用すれば制度そのものへの信頼を損ないます。

今回の事案は、利用者支援よりも加算取得が優先されたのではないかという疑念を生み、 障害福祉業界全体にも大きな影響を与える事例となりました。

絆ホールディングス事件との共通点

2026年には大阪市の絆ホールディングス傘下4事業所でも、 就労移行支援体制加算を巡る大規模な不正受給が問題となりました。

八尾市は今回のケースについて、 「行政が想定していない制度の抜け穴を突かれた事案」と説明しています。

就労支援分野では近年、加算制度を巡る不正受給事案が相次いでおり、 今後さらに監査や制度見直しが強化される可能性があります。


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