【京都市南区】訪問介護まねきねこ|虚偽記録による不正請求と管理体制不備で指定取消(2026年3月発表)

🚨 行政判断の整理:虚偽記録による介護給付費の不正請求と管理体制不備により指定取消

京都市は、YOKOICHI株式会社が運営する 「訪問介護まねきねこ」について、 指定取消処分を行うと発表しました。 京都市によると、短期入所利用中にもかかわらず居宅介護を提供したように装った記録や、 土日・夜間に実際には提供していないサービスの虚偽記録、 さらに2人介助が認められていない時間帯に2人目の介助員がいたように装う重度訪問介護の虚偽記録を作成し、 介護給付費を不正に請求・受領していたとされています。 あわせて、管理者による請求チェック体制や一元的管理が不十分であったこと、 記録保存年限を遵守していなかったことも確認され、 京都市は障害者総合支援法に基づき指定取消を行い、約1,018万円の返還を求めています。

1 対象事業者の概要

法人名 YOKOICHI株式会社
代表取締役 横江 一晃
所在地 京都市南区吉祥院石原長田町1番地1 桂川ハイツ1号館102

2 処分対象となった事業所の情報

事業所名 訪問介護まねきねこ
所在地 京都市南区吉祥院石原長田町1番地1 桂川ハイツ1号館102
サービスの種類 居宅介護及び重度訪問介護
指定日 令和3年6月1日
管理者 田中 裕之

3 行政処分データ

処分内容 指定取消
発表日 令和8年3月25日
効力発生日 令和8年4月25日
主な処分理由 不正請求、法令違反、運営基準違反
根拠法令 障害者総合支援法第50条第1項第6号、第5号
経済上の措置 10,182,110円の返還請求
内訳 不正請求額 7,272,936円
加算額 2,909,174円
関連する取消 移動支援事業、介護保険サービス事業(訪問介護・第1号訪問事業)も指定取消

違反内容|複数利用者に対する虚偽記録と管理体制不備

違反類型:不正請求、運営基準違反、法令違反

  • 利用者Aの虚偽記録: 令和5年4月から令和6年8月まで、短期入所利用期間中にもかかわらず、居宅介護を提供したように装った虚偽記録を作成し、介護給付費を請求・受領していたとされています。
  • 利用者Bの虚偽記録: 令和5年7月から令和6年12月まで、土日や夜間に実際にはサービス提供していないにもかかわらず、居宅介護を提供したとする虚偽記録を作成していたとされています。
  • 利用者Cの2人介助偽装: 令和7年1月から令和8年1月まで、2人介助が認められていない時間帯にもかかわらず、2人目の介助員が重度訪問介護を提供したように装った虚偽記録を作成し、介護給付費を請求していたとされています。さらに、実際にサービスを提供していない職員名を無断で使用していたとされています。
  • 管理者によるチェック体制不備: 管理者が、請求根拠の確認や正確な請求を行うためのチェック体制を確保しておらず、従業者や業務の一元的管理、基準遵守のための必要な指揮命令を行っていなかったとされています。
  • 記録保存年限の不遵守: 記録の保存年限についても、運営基準を満たしていなかったとされています。
  • その他の法令違反: 重度訪問介護事業における喀痰吸引及び経管栄養について、登録特定行為事業者としての京都府への登録手続がなされていなかったとされています。

⚠️ 行政処分が及ぼす実務的影響の整理

1. 事業所・法人への影響: 障害福祉サービスの指定取消に加え、移動支援事業や介護保険サービス事業の指定取消も行われるため、事業継続性に大きな影響が及びます。約1,018万円の返還請求も経営上の負担となります。
2. 現場管理への影響: 複数利用者にわたり虚偽記録が作成され、2人介助の要件偽装や職員名の無断使用まで認定されている点から、単発ミスではなく管理体制そのものの不備が問われた事案といえます。
3. 利用者への影響: 指定取消により、利用者は障害福祉サービス・介護保険サービスの継続先を調整する必要が生じます。支援の継続性を確保するためには、行政や相談支援機関の関与が重要になります。
💬 現役介護士の視点:請求の根拠となる記録が複数の形で崩れていた事案

この事案の特徴は、1人の利用者だけでなく、複数利用者に対して異なるパターンの虚偽記録が確認されている点です。短期入所中の居宅介護、実際には提供していない土日・夜間サービス、認められていない2人介助の偽装など、請求の根拠となる記録がさまざまな形でゆがめられていました。

さらに、管理者が請求チェック体制や一元的管理を確保していなかったとされており、個々の記録不正だけでなく、事業所全体の運営管理が十分機能していなかったことも問題視されています。職員名の無断使用まで認定されている点は、記録の信頼性を根底から崩す要素です。

訪問系サービスは利用者宅で行われるため、外部から実態が見えにくい一方で、記録が請求と支援の両方を支える重要な証拠になります。だからこそ、虚偽記録が続いていた事案では、制度そのものの信頼性を損なう問題として重く扱われます。


本記事は京都市の公式発表をもとに整理したものであり、今後の追加公表や訂正により内容が更新される可能性があります。

よくある質問(FAQ)

Q1. なぜ障害福祉サービスだけでなく介護保険サービスも指定取消になるのですか?
A. 京都市は、居宅介護・重度訪問介護と一体的に運営されている訪問介護や第1号訪問事業についても、同じ運営体制の下で法令違反が認められたと判断しており、介護保険サービス事業者の指定取消も行っています。
Q2. 2人介助の虚偽記録はなぜ問題が大きいのですか?
A. 2人介助は、利用者の状態や支援内容に応じて制度上認められる場合に限り算定できます。認められていない時間帯に2人目介助員がいたように装う行為は、給付費の上乗せ請求につながるため不正請求として重く扱われます。

⚖️ 法的な背景解説:障害者総合支援法に基づく指定取消

■ 根拠条文:障害者総合支援法第50条第1項第6号、第5号

1. 不正請求:
実際には提供していないサービスについて虚偽記録を作成し、介護給付費を請求・受領した場合、不正請求に該当します。

2. 運営基準違反:
管理者は、請求根拠の確認や正確な請求を行うための体制を整え、従業者を適切に管理しなければなりません。これが機能していない場合、運営基準違反として処分対象になります。

3. 一体運営事業への波及:
障害福祉サービスと介護保険サービスが一体的に運営されている場合、一方で確認された法令違反が他方の指定取消事由になることがあります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました