🚨 行政判断の整理:代表者自身の利用記録を偽装し介護給付費を不正請求、2事業所を指定取消
京都市は、T.R.Y.株式会社が運営する 「居宅介護支援くりあ」および 「居宅介護支援ゆあさぽーと」について、 指定取消処分を行うと発表しました。 京都市によると、運営法人の代表者は両事業所の利用者でもあり、令和3年7月から令和7年10月までの間、 実際にはサービスを利用していない曜日や時間帯について、利用したように装った虚偽の記録を従業者に作成させ、 介護給付費を不正に請求・受領していたとされています。 あわせて、居宅介護計画を作成していない利用者がいたことや、一体的に運営される他サービスにも法令違反が波及していたことが確認され、 京都市は障害者総合支援法に基づき2事業所の指定取消を決定し、約123万円の返還を求めています。
1 対象事業者の概要
| 法人名 | T.R.Y.株式会社 |
|---|---|
| 代表取締役 | 辻本 将仁 |
| 所在地 | 京都市山科区大宅辻脇町33番地6 |
2 処分対象となった事業所の情報
| 事業所名 | 居宅介護支援くりあ |
|---|---|
| 所在地 | 京都市山科区東野中井ノ上町14−24 ワンネス21 602号室 |
| サービスの種類 | 居宅介護、重度訪問介護 |
| 指定日 | 平成27年4月1日 |
| 管理者 | 辻本 将仁 |
| 事業所名 | 居宅介護支援ゆあさぽーと |
|---|---|
| 所在地 | 京都市山科区大宅辻脇町33番地6 |
| サービスの種類 | 居宅介護、重度訪問介護 |
| 指定日 | 平成29年10月6日 |
| 管理者 | 辻本 将仁 |
3 行政処分データ
| 処分内容 | 指定取消 |
|---|---|
| 発表日 | 令和8年3月25日 |
| 効力発生日 | 令和8年5月25日 |
| 主な処分理由 | 不正請求、運営基準違反、法令違反 |
| 根拠法令 | 障害者総合支援法第50条第1項第6号、第5号、第10号 |
| 経済上の措置 | 1,234,550円の返還請求 |
| 内訳 |
不正請求額 881,822円 加算額 352,728円 |
| 関連する取消 | 両事業所が指定を受けていた移動支援事業についても指定取消 |
違反内容|虚偽記録による不正請求と計画未作成、法令違反
違反類型:不正請求、運営基準違反、法令違反
- 代表者自身の利用記録を偽装: 運営法人の代表者は両事業所の利用者でもあり、令和3年7月から令和7年10月まで、実際には利用していない時間帯について利用したように装った虚偽記録を従業者に作成させ、介護給付費を請求・受領していたとされています。
- 居宅介護計画の未作成: 居宅介護支援くりあにおいて、利用者の日常生活の状況や希望等を踏まえて作成すべき居宅介護計画を作成していない利用者がいたとされています。
- 一体的運営事業への法令違反の波及: 一体的に運営される重度訪問介護事業・居宅介護事業についても、同じ違反事実を理由に法令違反が認定されています。
- その他の法令違反: 居宅介護支援くりあの居宅介護事業で実施していた経管栄養について、社会福祉士及び介護福祉士法に定める登録特定行為事業者としての京都府への登録手続がなされていなかったとされています。
⚠️ 行政処分が及ぼす実務的影響の整理
この事案の特徴は、運営法人の代表者自身が両事業所の利用者でもあり、その利用記録を虚偽作成させていたとされる点です。現場記録は本来、利用者支援の証拠であると同時に請求の根拠でもあります。その中心部分が意図的にゆがめられていたなら、記録の信頼性そのものが崩れます。
しかも、本件は不正請求だけでなく、居宅介護計画の未作成、一体運営事業への違反波及、経管栄養に関する登録手続未了まで重なっています。単独の違反ではなく、運営全体に複数の制度逸脱があったとみられる事案です。
指定取消後に利用者が支援先を失わないよう、他事業所への移行支援が進められるとされていますが、利用者側から見れば急な環境変化は大きな負担です。制度違反の是正と利用者保護を同時にどう進めるかが問われるケースだといえます。
本記事は京都市の公式発表をもとに整理したものであり、今後の追加公表や訂正により内容が更新される可能性があります。
よくある質問(FAQ)
・京都市:障害福祉サービス事業者に対する行政処分について
⚖️ 法的な背景解説:障害者総合支援法に基づく指定取消
■ 根拠条文:障害者総合支援法第50条第1項第6号、第5号、第10号
1. 不正請求:
実際には利用していないサービス利用実績を虚偽記録で作成し、介護給付費を請求・受領した場合、不正請求に該当します。
2. 運営基準違反:
居宅介護では、利用者ごとに具体的なサービス内容等を記載した居宅介護計画を作成しなければならず、これを怠ると運営基準違反になります。
3. 法令違反の波及:
一体的に運営される事業について、一方の事業で確認された法違反が他方にも影響すると判断された場合、関連事業も含めて処分対象になります。

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