🚨 行政判断の整理:架空請求および組織的な虚偽報告による指定取消処分
倉敷市は、特定非営利活動法人コウチが運営する「コーチ共同作業所」に対し、障害者総合支援法に基づき指定取消処分を決定しました。延べ730日分におよぶ架空のサービス請求に加え、監査におけるタイムカードや支援記録の偽造、代表者による虚偽の答弁が認定されています。返還請求額は加算金を含め約626万円に上ります。
対象事業所の概要
| 事業所名 | コーチ共同作業所 |
|---|---|
| サービスの種類 | 就労継続支援B型 |
| 所在地 | 岡山県倉敷市老松町5丁目3番81号 コウチビル2階 📍 地図を確認 |
運営法人の情報
| 法人名 | 特定非営利活動法人コウチ |
|---|---|
| 代表者 | 理事長 河内 安子 |
| 所在地 | 倉敷市老松町5丁目3番81号 |
行政処分データ:処分の詳細
| 処分の内容 | 指定の取消し |
|---|---|
| 処分決定日 | 2025年11月28日 |
| 効力発生日 | 2025年12月31日 |
| 不正受領額 | 4,475,520円 |
| 返還命令額 | 計 6,265,728円 (加算金40% 1,790,208円を含む) |
処分の背景:多岐にわたる架空請求と組織的な隠蔽工作
倉敷市による監査の結果、当該事業所において以下の極めて不適切な運営実態が認定されました。
- 訓練等給付費の不正請求: 令和5年12月から約1年半にわたり、利用者5名に対し実際にはサービスを提供していない延べ730日分の給付費を不正に受領した。
- 送迎加算の不正受領: 職員が送迎を行っていないにもかかわらず、延べ118回分の送迎加算を請求した。
- 組織的な書類偽造: 監査を免れる目的で、利用者のタイムカード、実績記録票、支援記録、工賃明細書について事実と異なる内容を記載した資料を提示した。
- 代表者による虚偽答弁: 監査において、法人代表者が「サービスを提供していた」と事実と異なる回答を継続的に行った。
⚠️ 行政処分が及ぼす実務的影響の整理
今回の事案で特に深刻なのは、単なる計算ミスや解釈違いではなく、「いない人をいることにして請求する(延べ730日分)」という、明確な意図を持った架空請求です。これは福祉制度そのものに対する背信行為と言わざるを得ません。
また、監査の場で工賃明細書やタイムカードを偽造し、代表者自らが虚偽の回答を繰り返した点は、行政によるチェック機能を意図的に無効化しようとするものであり、指定取消という最も重い処分は、制度の根幹を守るための必然的な判断と整理できます。
管理者においては、日々の実績記録を「公金を受領するための公文書」として誠実に扱うことが、利用者様の生活を守るための最低限の責務であることを再認識すべき事例です。
※用語解説はこちら
A. 処分の内容によって異なります。
本件のような「指定取消」の場合、2025年12月31日をもって事業所としての認可が失われるため、既存の利用者は他事業所への移行が必要になります。
自治体や相談支援専門員と連携し、円滑な受け入れ先確保を急ぐ必要があります。
・倉敷市公式発表(2025年11月28日):指定障害福祉サービス事業者の指定取消処分について
⚖️ 法的な背景解説:障害者総合支援法第50条に基づく取消のロジック
参照:障害者総合支援法 第50条 第1項
1. 根拠条文:
・第6号(不正請求):実際には提供していないサービスの報酬を受領した事実。
・第7号(虚偽報告):監査において虚偽の書類を提示した事実。
・第8号(虚偽答弁):監査において代表者が虚偽の証言を行った事実。
これらの複合的な法令違反により、事業継続が著しく不適当と判断されました。
2. 加算金(40%)の法的根拠:
法第8条第2項に基づき、不正に受領した給付費の返還に加え、その額の40%を「加算金」として徴収されます。これは、公的な税財源を不正に搾取したことに対する強力な経済性ペナルティです。
3. 欠格事由と役員の責任:
指定取消を受けた法人の役員は、法第36条の規定により今後5年間、同様の事業の指定を受けることができない「欠格事由」に該当します。本件では理事・監事を含む計6名が対象となっており、組織全体の責任が問われています。

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