🚨 神戸市、NPO法人「縁」が運営する障害福祉事業所を処分|「海花」は指定取消、「ALOHA HOUSE」は一部効力停止
神戸市は2023年6月30日、特定非営利活動法人「縁」が運営する障害福祉サービス事業所に対し、 障害者総合支援法第50条第1項に基づく行政処分を行いました。 神戸市によると、実務経験要件を満たしていない従業者をサービス管理責任者として配置し、 人員基準欠如減算を適用しないまま介護給付費・訓練等給付費を請求していたとされています。 その結果、「海花」は指定取消し、「ALOHA HOUSE」は指定の一部効力停止処分となりました。
対象事業者・事業所の概要
| 運営法人 | 特定非営利活動法人 縁(ゆかり) |
|---|---|
| 理事長 | 竹内 加奈子 |
| 法人所在地 | 神戸市東灘区魚崎中町2-5-3-1 |
| 対象事業所① |
海花 サービス種別:生活介護、就労継続支援B型 事業開始日:2018年9月1日(就労継続支援B型)、2021年8月1日(生活介護) 📍 神戸市東灘区魚崎北町2-9-17 ベステップ魚崎1階 |
| 対象事業所② |
ALOHA HOUSE サービス種別:共同生活援助(グループホーム) 事業開始日:2019年12月1日 📍 神戸市東灘区魚崎中町2-5-3-1 |
行政処分の内容
| 海花 |
指定取消し 通知年月日:2023年6月30日 効力発生日:2023年7月29日 |
|---|---|
| ALOHA HOUSE |
指定の一部効力停止 新規利用者受入停止および訓練等給付費請求上限7割(報酬3割減額) 期間:2023年7月1日~2023年12月31日 |
処分理由|サービス管理責任者の実務経験要件不足による不正請求
神戸市によると、両事業所では実務経験要件を満たしていない従業者をサービス管理責任者として配置していました。
- 海花:2022年1月から2022年8月まで
- ALOHA HOUSE:2022年8月から2023年2月まで
本来であれば、人員基準を満たしていない期間について「サービス管理責任者欠如減算」を適用する必要がありましたが、 減算を行わないまま介護給付費および訓練等給付費を請求していたため、不正請求と認定されました。
| 事業所 | 不正請求額 | 請求件数 | 返還額(加算金含む) |
|---|---|---|---|
| 海花 | 約763万円 | 3,096件 | 約1,068万円 |
| ALOHA HOUSE | 約259万円 | 1,789件 | 約363万円 |
神戸市は、不正請求により受領した給付費に障害者総合支援法に基づく加算額を加え、 両事業所合計で約1,431万円の返還を求めています。
監査から処分までの経緯
- 2022年9月30日:障害者総合支援法に基づく監査(立入調査)を実施
- 2022年10月~2023年5月:書類精査等により不正事実を確認
- 2023年5月22日~6月5日:ALOHA HOUSEに弁明の機会を付与
- 2023年6月19日:海花に対する聴聞を実施
- 2023年6月30日:行政処分を決定・通知
⚠️ 法人側の説明|実務経験証明書をめぐる認識の相違
特定非営利活動法人縁は、2023年7月13日付で「神戸市による不利益処分に関する経緯と内容と今後について」とする説明文を公表しています。
法人側の説明によると、サービス管理責任者として届け出ていた職員について、協力していたグループホームの施設長に実務経験証明書の発行を依頼し、受け取った証明書を神戸市への申請書に添付して提出したとされています。
しかし、その後、当該グループホーム側の法人理事長から 「実務経験証明書を発行していない」 「押印の印鑑が法人のものではない」 「当法人事業所に男性職員2名は入っていない」 「賃金が発生していない」 といった説明があったため、神戸市へ提出した実務経験証明書は虚偽のものと判断されたとされています。
一方で、縁側は、支援者不足によりシフトが組めないグループホームへ、ボランティア団体として支援者が入れ代わり立ち代わり応援に入っていたことは事実であると説明しています。
また、神戸市監査指導部に対し、サービス記録の写し、実働時間記録の写し、労働契約書原本、利用者契約書などを提出したものの、認められなかったとしています。
法人側は、労働基準監督署へ賃金未払い請求および退職証明書発行請求について相談したこと、さらに今後、神戸市に対して行政訴訟を行う方針であることも表明しています。
📌 処分後の運営についての法人側説明
法人側は、就労継続支援B型事業所と生活介護事業所について、今後も日中支援は継続する意向を示しています。
ただし、国保連合への介護給付費の請求は行わず、これまでと変わらぬ支援を続けると説明しています。
また、理事長として本来は退任すべきところであるとしつつも、利用者と家族のために最後まで責任を果たしたいとして、謝罪と今後の理解を求めています。
サービス管理責任者は、利用者一人ひとりの個別支援計画を作成し、支援内容を調整する重要な役割を担います。
資格要件や実務経験要件は、適切な支援を提供するために定められており、 人員配置基準を満たしているかどうかは障害福祉サービスの質そのものに直結します。
今回の事案では、神戸市の認定と法人側の説明に食い違いがあります。 行政処分としては、神戸市が不正請求を認定し処分を行っていますが、法人側は実務経験証明書を適法なものと認識していたと説明しています。 そのため、今後の行政訴訟や追加情報により、事実関係がさらに整理される可能性があります。
⚖️ 法的背景|サービス管理責任者の配置基準と不正請求
■ 根拠条文:障害者総合支援法第50条第1項第五号
都道府県知事または指定都市の長は、介護給付費または訓練等給付費の請求に関して不正があった場合、 指定取消しまたは指定の全部・一部効力停止を行うことができます。
サービス管理責任者は、個別支援計画の作成、利用者・家族への相談援助、職員への技術指導・助言を担う責任者です。
実務経験要件を満たしていない従業者を配置した場合、人員基準違反となり、 「サービス管理責任者欠如減算」を適用しなければなりません。
減算を適用せず給付費を請求した場合は、不正請求として行政処分の対象となります。
参照元資料
・
神戸市「指定障害福祉サービス事業所の処分について」
・
特定非営利活動法人縁「神戸市による不利益処分に関する経緯と内容と今後について」

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