🚨 「ヘルパーステーション介援隊」が3か月の全部効力停止|虚偽のサービス記録や不適切な請求などで行政処分
北海道旭川市は2026年8月3日、 株式会社ぶれいぶが運営する 「ヘルパーステーション介援隊」について、 介護保険法に基づく 指定の全部効力停止処分を行いました。 処分は同月5日に公表されています。
旭川市によると、事業所では実際のサービス提供状況と異なる記録を職員に作成させ、 その記録をもとに訪問介護サービス費を請求するなど、 運営基準違反、不正な行為、虚偽の答弁が確認されました。
処分期間は 2026年9月1日から11月30日までの3か月間。 対象となる訪問介護と指定相当訪問型サービスについて、 指定の効力が全面的に停止される処分です。
この記事のポイント
今回の処分は、新規利用者の受入停止に限られる「一部効力停止」ではありません。
対象サービスの指定が3か月間、全部効力停止となるため、
既存利用者へのサービス提供にも影響します。
本記事では旭川市の公式資料をもとに、違反内容と利用者・職員・事業所への影響を整理しています。
1 対象事業者・事業所
1.1 対象事業者の概要
| 法人名 | 株式会社ぶれいぶ |
|---|---|
| 代表者 | 代表取締役 幕田 健一 |
| 法人所在地 |
北海道旭川市7条通16丁目77番地25 📍 Googleマップで確認 |
1.2 処分対象となった事業所
| 事業所名 | ヘルパーステーション介援隊 |
|---|---|
| 所在地 |
北海道旭川市7条通16丁目77番地の25 📍 Googleマップで確認 |
| サービス種別 |
訪問介護 指定相当訪問型サービス |
| 指定年月日 | 2020年9月1日(両サービス) |
2 行政処分データ
| 処分内容 | 指定の全部効力停止(3か月) |
|---|---|
| 処分年月日 | 2026年8月3日 |
| 公表日 | 2026年8月5日 |
| 効力停止期間 | 2026年9月1日~2026年11月30日 |
| 対象サービス | 訪問介護・指定相当訪問型サービス |
| 主な処分理由 |
運営基準違反 不正な行為 虚偽の答弁 法令違反 |
| 根拠法令 |
介護保険法第77条第1項 介護保険法第115条の45の9 ※適用号数の詳細は記事末尾の法的背景解説に記載 |
3 処分理由をわかりやすく整理
旭川市が確認した問題は、大きく分けると 勤務体制の管理、訪問介護計画の確認、サービス提供記録、監査への対応 の4つです。
3.1 勤務表を適切に作成・管理していなかった
旭川市は2022年11月、 従業者の勤務時間、職務内容、常勤・非常勤の区分などを明確にした勤務表を作成し、 適切な勤務体制を確保するよう指導していました。
しかし事業所は、 サービスごとに勤務体制を定める実務上の必要性を感じていない という理由で、適切な勤務体制の確保を行いませんでした。
さらに監査では、旭川市が勤務形態一覧の提出を求めたところ、 サービスごとの実際の勤務実績が反映されていない資料を提出していました。
3.2 訪問介護計画を確認せずサービスを提供
訪問介護員が 訪問介護計画の内容を確認していない状態で、 利用者への介護サービスを提供していました。
旭川市によると、職員は利用者に必要とされるサービス内容を十分に把握できておらず、 そのような状態で介護を行わせ、訪問介護サービス費を請求していました。
3.3 実態と異なるサービス提供記録を作成させていた
今回の事案で特に重要なのが、 実際のサービス提供状況と記録の内容が一致していなかった点です。
事業所では、2020年9月の新規指定時から、 訪問予定時刻や担当者を記載した「稼働表」のとおりに サービスが提供されていないことを把握していました。
それにもかかわらず、 実態と異なるサービス提供記録を従業者に作成させていた と旭川市は認定しています。
また、予定表どおりにサービスが提供されていないことを認識しながら、 記録に記載されたサービスが実際に提供されたかを確認せず、 サービス費の請求を続けていました。
⚠️ 予定表とサービス提供記録は別のもの
「稼働表」は、いつ・誰がサービスを提供する予定なのかを管理するものです。
一方、サービス提供記録には、
実際に行ったサービスの内容や時間などを正確に記録する必要があります。
今回の事案では、予定どおりにサービスが提供されていない状況を把握しながら、
実態と異なる記録を作成させ、その記録をもとに請求を続けていた点が問題となりました。
3.4 監査で虚偽の答弁を行った
旭川市の監査では、 不適切な運営状況を代表取締役が認識していたかどうかについても確認が行われました。
旭川市によると、事業所の従業者は、 代表取締役が不適切な運営状況を認識していることを知りながら、認識しているかどうかは分からないという趣旨の答弁 を行いました。
旭川市は、この答弁を 虚偽の答弁と認定しています。
※不正請求額について
今回参照した旭川市の行政処分資料には、
不正な行為の内容は記載されていますが、
具体的な不正請求額や返還額は示されていません。
そのため、本記事では金額を推測して記載していません。
4. ⚠️ 行政処分が及ぼす実務的影響の整理
今回の「全部効力停止」は、 新規利用者だけを受け入れられなくする処分ではありません。
指定そのものは取り消されませんが、 3か月間、対象となる指定の効力が全面的に停止されます。
1. 施設・法人への影響:
2026年9月1日から11月30日まで、 対象となる訪問介護・指定相当訪問型サービスについて、指定に基づくサービス提供を行うことができなくなります。
そのため、新規利用者の受け入れだけでなく、 既存利用者に対する当該サービスの提供も停止の対象になります。
これは介護報酬の一部が制限される処分とは異なり、 対象事業の運営そのものに直接影響する措置です。
2. 現場職員への影響:
処分期間中は、 事業所の指定に基づく訪問介護等のサービス提供が停止されるため、 職員の勤務内容や配置に影響が生じる可能性があります。
例えば、法人内の別業務への配置や勤務体制の変更などが考えられますが、 実際にどのような対応が行われるかは公表されていません。
また、今回の資料には、 職員個人の資格停止、解雇、懲戒処分などの記載はありません。
事業所への行政処分と、個々の職員に対する雇用上の対応は別の問題として考える必要があります。
3. 利用者への影響:
今回の処分では、 すでにヘルパーステーション介援隊を利用している人にも影響が及びます。
処分期間中は、対象サービスの指定が全面的に停止されるため、 利用者が必要な訪問介護を受け続けるには、 他の事業所への切り替えなど、サービス継続のための調整が必要になります。
ただし、今回の公表資料には、 実際の利用者数、利用先の変更状況、代替サービスの確保方法 などは記載されていません。
今回の事案で特に重要なのは、 予定と実際のサービス提供状況が違うことを把握しながら、 実態と異なる記録の作成と請求が続けられていた点です。
訪問介護では、利用者の体調や当日の状況によって、 予定していた介助内容や所要時間が変わることがあります。
そのため、記録には予定ではなく、 実際に提供したサービスの内容を正確に残すことが重要です。
また、訪問介護計画を確認せずにサービスを提供していた点も見過ごせません。 利用者ごとに必要な介助や注意点が異なる以上、 計画内容を把握することは適切なケアを行うための基本となります。
今回のように勤務体制、計画の確認、サービス記録、請求、監査対応まで 複数の問題が確認された場合、 個々の記録の修正だけでなく、事業所全体の運営管理を見直す必要がある事例 といえます。
今回の処分を簡単にまとめると
旭川市は、勤務体制の不備や訪問介護計画の未確認、 実態と異なるサービス提供記録を使った請求、 監査での虚偽答弁などを確認しました。
その結果、 ヘルパーステーション介援隊の訪問介護・指定相当訪問型サービスについて、3か月間の指定全部効力停止 という処分が行われました。
よくある質問(FAQ)
Q1.ヘルパーステーション介援隊は指定取消になったのですか?
A.指定取消ではありません。
2026年9月1日から11月30日までの3か月間、
訪問介護と指定相当訪問型サービスの指定が全部効力停止となる処分です。
Q2.なぜ行政処分を受けたのですか?
A.旭川市は、勤務体制の不備、訪問介護計画の未確認、
実態と異なるサービス提供記録の作成、不適切な請求、
監査での虚偽答弁などを確認しています。
Q3.現在利用している人はどうなりますか?
A.処分期間中は対象サービスの指定の効力が全面的に停止されるため、
他の訪問介護事業所への切り替えなど、サービス継続に向けた調整が必要になります。
ただし、実際の切り替え状況などは公表されていません。
参照元資料
・ 旭川市「指定介護サービス事業者等に対する行政処分について」
※本記事は旭川市が公表した行政処分資料をもとに作成しています。
※利用者数、不正請求額、返還額など、公表資料で確認できない事項は推測していません。
※行政処分は公表時点の事実を整理したものであり、現在の事業所の運営状況やサービス内容を示すものではありません。
⚖️ 法的な背景解説|運営基準違反・不正な行為・虚偽答弁と指定全部効力停止
■ 適用された主な法令
介護保険法第77条第1項
介護保険法第115条の45の9
本件では、指定訪問介護事業者に関する介護保険法第77条第1項と、 指定相当訪問型サービスの指定事業者に関する 第115条の45の9が処分根拠として示されています。
1.介護保険法第77条第1項について
同項は、指定居宅サービス事業者について、 法定の事由に該当する場合、 指定を取り消し、または期間を定めて指定の全部もしくは一部の効力を停止できることを規定しています。
旭川市が公表した違反内容では、 次の処分事由が挙げられています。
| 第4号 | 運営基準違反 |
|---|---|
| 第8号 | 監査等における虚偽の答弁 |
| 第11号 | 居宅サービス等に関する不正または著しく不当な行為 |
なお、上記は旭川市の公表資料における 個別の違反内容と根拠条文の対応関係を整理したものです。
2.介護保険法第115条の45の9について
同条は、介護予防・日常生活支援総合事業における指定事業者について、 指定取消または指定の全部・一部効力停止を行うための根拠規定です。
本件では、以下の号が示されています。
| 第1号 | 指定事業者が所定の基準に従って第一号事業を行えなくなった場合 |
|---|---|
| 第4号 | 監査等における虚偽の答弁など |
| 第6号 | 一定の法令・命令・処分への違反 |
| 第7号 | 地域支援事業または居宅サービス等に関する不正・著しく不当な行為 |
旭川市は、指定相当訪問型サービスと一体的に運営されていた 訪問介護事業における違反行為についても、 行政処分の根拠として挙げています。
3.運営基準違反と不正な行為の関係
本件では、勤務体制の未整備、 訪問介護計画の未確認、 実態と異なるサービス提供記録の作成などが 運営基準違反として示されています。
さらに、サービスが予定どおりに提供されていない状況を把握しながら、 実際の提供状況を確認せずにサービス費の請求を継続していたことが、 不正な行為として認定されています。
つまり、旭川市は、 運営基準に反する事実と、不適切な請求を継続した行為を区別して処分理由に挙げている と整理できます。
4.指定の「全部効力停止」とは
指定の全部効力停止は、 指定取消とは異なり、 期間を定めて指定の効力を全面的に停止する処分です。
今回の対象は訪問介護と指定相当訪問型サービスであり、 2026年9月1日から11月30日までの3か月間、 これらの指定に基づくサービス提供が停止されます。
なお、指定の全部効力停止によって、 法人のすべての事業や従業者個人の資格まで 当然に停止されるわけではありません。
5.旭川市の公表資料における条文番号の相違
旭川市の公表資料では、 冒頭の「趣旨」において、 介護保険法第77条第1項第4号、第8号および 第10号が記載されています。
一方、後半の「不正な行為」に関する根拠法令では、 同項第11号が記載されています。
第10号と第11号は異なる処分事由を定めた規定です。
そのため、本記事では両方の記載があることを明示し、 どちらが誤記であるかについては独自に断定していません。
厳密な適用条文の確認には、 処分通知書等の確認、または処分庁への照会が必要です。
■ 法令・行政資料
・
e-Gov法令検索|介護保険法
・
旭川市|株式会社ぶれいぶに対する行政処分資料
※本欄は旭川市の行政処分資料と介護保険法の処分根拠規定を整理したものです。
※処分の適法性や個別の違反事実について、独自の法的判断を行うものではありません。

コメント