【静岡県】大乗会(御寿園・一本松)|社会福祉法に基づく業務一部停止命令(2016年処分と現在の状況)

🚨 行政判断の整理:社会福祉法に基づく全国的にも極めて異例の「業務一部停止命令」

静岡県は、社会福祉法人大乗会に対し、社会福祉法に基づき6ヶ月間の新規利用者受入停止(業務一部停止命令)を決定しました。過去4回におよぶ改善命令の不履行、財務ガバナンスの欠如、職員の派遣依存が認定されています。2024年度の報告では、同年度から完全義務化(違反時は減算対象)された「虐待防止措置」の未整備や内部牽制の不備が依然として指摘されています。

対象事業所の詳細

特別養護老人ホーム 御寿園
所在地 静岡県三島市御園580
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サービスの種類 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
特別養護老人ホーム 一本松
所在地 静岡県沼津市一本松175
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サービスの種類 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

運営法人の情報

法人名 社会福祉法人 大乗会
所在地 静岡県三島市加茂川町15番11号
代表者 理事長 長山 正義

行政処分データ:処分の詳細(2016年)

処分の内容 社会福祉法に基づく業務一部停止命令
(新規利用者の受入停止:6ヶ月)
処分公表日 2016年4月15日
効力発生期間 2016年6月1日 〜 2016年11月30日
主な処分理由 度重なる改善命令の不履行、不適切な経理(理事長手当等)、人材定着の著しい欠如。

処分の背景:指導無視の継続と「派遣4割」による運営の限界

本件は、2009年から合計4回にわたる県の改善命令に従わなかったことが直接的な理由です。認定された事実は以下の通り整理されます。

  • 不適切な資金流用: 介護報酬を法人保有地の借入金返済に充当。理事長への不適切な手当支給など、公費の私的利用に近い実態が指摘された。
  • ケアの質の著しい低下: 職員の4割以上が派遣スタッフであり、ユニットケアの基本である継続的な支援が困難。褥瘡(床ずれ)の再発や誤薬事故が多発していた。
  • 2024年度の継続指摘: 最新の現況報告書でも「通帳と印鑑の同一者管理」や「虐待防止措置の運営規程への未記載」など、2024年から完全義務化(違反時は減算)された重要事項の不備が文書指摘されている。

⚠️ 行政処分が及ぼす実務的影響の整理

1. 施設・法人への影響:解散命令を視野に入れた最終警告 「業務一部停止」は社会福祉法人にとって解散命令の直前に位置する極めて重い警告です。2024年現在も基本的な内部牽制体制の欠如が指摘されており、経営陣の適格性が問われ続けています。
2. 現場スタッフへの影響:体制不備による「虐待防止未実施減算」のリスク 2024年4月より完全義務化された虐待防止措置が未整備であるため、基本報酬が大幅にカットされる「未実施減算」の対象となる恐れがあり、それがさらなる処遇悪化を招くリスクとなっています。
3. 利用者・家族への影響:安全性と質の担保に対する不安 褥瘡再発や誤薬事故の過去に加え、現在も虐待防止規定が未整備である事実は、家族に多大な不安を与えます。法人のガバナンスが是正されない限り、安心して預けられる環境とは言い難い実態があります。
💬 現役介護士の視点:10年以上放置された「内部牽制」の形骸化

今回の事案で最も驚くべきは、2016年の処分理由であった「ガバナンスの欠如」が、2024年度の報告書でも「通帳と印鑑の同一管理」という形で再燃している点です。これは組織としての自浄作用が機能していないことを示唆しています。

特に2024年から厳格化された虐待防止の義務化(違反は減算・監査対象)への対応が遅れている点は致命的です。派遣スタッフが4割を超える現場であれば、なおさら明確な指針と教育が不可欠です。それらが運営規程にすら記載されていない状態では、現場職員が正しいケアの判断基準を持てず、利用者の尊厳が脅かされるリスクが極めて高いと整理できます。

管理者においては、行政の指導を「書類上の指摘」と軽視せず、一つひとつの基準が利用者の安全と事業継続の生命線であることを再認識すべき事例です。


※用語解説はこちら

Q. 虐待防止措置の義務化とは具体的にどのような内容ですか?

A. 2024年4月より、虐待防止委員会の設置、指針の整備、研修の実施、担当者の配置が完全義務化されました。これらを怠っている事業所は、**「虐待防止未実施減算」**として基本報酬が大幅に引き下げられるほか、運営指導(監査)において行政処分の対象となる重大な基準違反として扱われます。


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