【行政処分】石川県『住まいるハウス』に対し1年間の受入停止。約7,000万円の不正請求と食材費の過大徴収を認定

🚨 行政判断の整理:巨額の不正請求・利用者費用の不適切管理・虚偽報告に伴う一部効力停止

石川県は、オリジナルサポート株式会社が運営する障害者グループホーム「住まいるハウス」に対し、障害者総合支援法に基づく指定の一部効力停止(新規受入停止1年間、および報酬上限7割の制限6箇月間)を決定しました。長期間にわたる人員基準違反の隠蔽による給付費の不正請求(約6,740万円)、利用者からの食材費の過大徴収(約535万円)、ならびに監査において勤務実態のない職員の虚偽書類を提出した事実が認定されました。

②-1 事業所情報

対象事業所名 住まいるハウス
所在地 石川県野々市市新庄1丁目70番地
📍 地図を確認
サービスの種類 共同生活援助(グループホーム)

②-2 法人情報

法人名 オリジナルサポート株式会社
所在地 石川県金沢市額谷3丁目49番地
代表者 代表取締役 浜上 悟

行政処分データ:処分の詳細

処分の内容 指定の一部効力停止
①新規受入停止(1年)
②報酬支払額の制限7割(6ヶ月)
処分決定日 令和8年2月10日
効力停止期間 ①受入停止:令和8年3月1日 〜 令和9年2月28日
②報酬制限:令和8年3月1日 〜 令和8年8月31日
不正受領額(給付費) 67,406,180円
過大徴収額(食材費) 5,351,251円
(利用者への返還対象)

本件の違反内容(行政資料ベース)

違反類型:運営基準違反、不正請求、虚偽報告

  • 運営基準違反(食材費の過大徴収): 利用者から徴収した食材料費に残額が生じていたにもかかわらず、精算して返還するなどの適正な取扱いをせず、令和3年4月から令和6年3月にかけて計5,351,251円を過大に徴収した。
  • 不正請求(給付費の架空・水増し請求):
    • 生活支援員が不足していた期間に、義務付けられた「人員欠如減算」を行わずに請求した。
    • 世話人の配置基準を満たしていないにもかかわらず、満たしているとした請求を行った。
    • 基準以上の世話人等を配置した際に算定できる「人員配置体制加算Ⅰ」を、要件を満たさずに請求した。
    • 宿直を行う夜間支援従事者を配置していないにもかかわらず「夜間支援体制加算Ⅱ」を請求した。
  • 虚偽報告(監査妨害): 法人代表が行政監査において、勤務実態のない者を「世話人や生活支援員として勤務した」とする虚偽の書類を提出した。

⚠️ 行政処分が及ぼす実務的影響の整理

1. 施設(法人)への影響: 1年間の新規受入停止に加え、6箇月間はすべての既存利用者の介護報酬が「7割(3割減算)」に制限されます。給付費の返還金と、利用者への食材費返還(約535万円)が重なり、法人の経営継続に極めて深刻なダメージを与えます。
2. 従業員への影響: 長期間にわたり人員が不足(生活支援員・世話人・夜間支援員)していた中での運営は、現場の職員に過酷な業務負担を強いていた状況を示しています。経営悪化による雇用への不安も避けられません。
3. 利用者・家族への影響: 生活の場であるグループホームにおいて、夜間支援員がいない等の安全管理上の不備が常態化していました。さらに、利用者の生活費(食材費)が不当に搾取されていた事実は、サービスへの信頼を根本から破壊する重大な背信行為です。
💬 現役介護士の視点:制度の悪用と「虚偽報告」という致命的行為

障害者グループホームの運営において、人員基準(世話人・生活支援員・夜間支援員)は利用者の命と安全を守るための生命線です。本件では、このすべての人員が不足していた事実を隠蔽し、約4年間で6,700万円以上もの給付費を不正に得ていました。

特に行政が重く見ているのは、監査において法人代表自らが「勤務実態のない者の虚偽書類」を提出した点です。これは単なる事務ミスではなく、行政を欺き、公費を騙し取ろうとする極めて悪質な隠蔽工作(監査妨害)と判断されます。さらに、利用者からの預かり金である「食材費」の残額を返還せず法人の利益にしていたことは、福祉事業者としての倫理観の欠如を象徴しています。

指定取消(廃業)には至りませんでしたが、「受入停止1年」および「報酬の3割カット(6ヶ月)」という非常に重いペナルティが課されたのは、悪質な運営実態に対する行政の強い警告であると整理できます。


本記事は行政機関が公表した情報を整理したものであり、現在の運営状況や評価を示すものではありません。

よくある質問(FAQ)
Q1. 処分の「報酬支払額の制限7割」とはどういう意味ですか?
A. 処分期間中(本件では6箇月間)、事業所が提供するサービスに対して支払われる介護給付費(報酬)が、本来の額の「7割(=3割カット)」に制限されるという厳しいペナルティです。既存利用者のサービスは継続されますが、事業所の収益は大幅に減少します。

⚖️ 法的な背景解説:障害者総合支援法に基づく一部効力停止

■ 該当条文:障害者総合支援法 第50条 第1項

1. 第5号(運営基準違反):
食材費の過大徴収など、事業の適正な運営を定めた基準に違反したこと。

2. 第6号(不正請求):
訓練等給付費の請求に関し不正があったこと。人員欠如の隠蔽や加算の不正受給がこれに該当します。

3. 第7号(虚偽報告):
行政監査において、虚偽の報告または書類(勤務実態のない者の出勤記録等)を提出し、監査を妨害したこと。

4. 返還+40%加算の根拠(障害者総合支援法 第8条 第2項):
偽りその他不正の行為により給付費を受けた者から、その給付額に100分の40を乗じて得た額(加算金)を合算して徴収することが法的に定められています。(食材費の過大徴収分は利用者へ直接返還されます)

コメント

タイトルとURLをコピーしました