【行政処分】神奈川県、GH『ソシオKUKUNA』2カ所に受入停止処分。利用者への支援放棄(強制退去)と組織的虚偽申請を認定

🚨 行政判断の整理:組織的虚偽申請および利用者支援の放棄・心理的虐待の認定

神奈川県は、一般社団法人ワイズ・インフィニティ・エイトが運営する2つの指定共同生活援助事業所に対し、障害者総合支援法第50条第1項の規定に基づき、指定の一部効力停止処分を決定しました。本件は指定申請段階からの組織的な虚偽報告に加え、利用者に対する「支援の放棄(一方的な強制退去)」や「個人情報の漏えい(心理的虐待)」といった、利用者の人権と尊厳を著しく損なう行為が認定された極めて悪質な事案です。

1. 対象事業所:グループホーム ソシオKUKUNA伊勢原

事業所名 グループホーム ソシオKUKUNA伊勢原
所在地 伊勢原市高森1-1-2
処分内容 指定の一部の効力停止(12ヶ月)
停止期間 令和7年4月1日 〜 令和8年3月31日
不正請求額 6,610,859円
特記事項 個人情報漏えい(利用者12名分)による心理的虐待を認定

2. 対象事業所:グループホーム ソシオKUKUNA藤沢

事業所名

グループホーム ソシオKUKUNA藤沢

所在地 藤沢市下土棚1706-47
処分内容 指定の一部の効力停止(6ヶ月)
停止期間 令和7年4月1日 〜 令和7年9月30日
不正請求額 5,108,343円

法人および代表者データ

運営法人 一般社団法人ワイズ・インフィニティ・エイト
代表者 代表理事 小林 雅人
処分決定日 2025/03/28

処分の原因となる事実:偽装運営と人権侵害の構造

神奈川県の監査により、福祉の看板を掲げながらも実態は利益と運営効率を優先した、極めて悪質な実態が解明されました。

  • 組織的な虚偽申請:法人代表および本部職員が関与し、指定申請時に実際の勤務実態と大きく異なる勤務形態一覧表を県へ提出していたことが確認されました。人員基準を満たしていない状況を認識しながら、事業の開始および継続が行われていたとされています。
  • 利用者支援の中断(強制的な退去対応)利用者および家族との十分な協議や合意を行わないまま、支援を終了し、短期間で退去を求める対応が行われました。県はこれを、居住系サービスにおける「支援の放棄」に該当すると判断しています。

  • 個人情報の漏えいおよび心理的虐待の認定伊勢原事業所において、サービス管理責任者が利用者12名分の個人情報を第三者に漏えいした事案が確認されました。神奈川県は本件を心理的虐待および不適切な個人情報管理に該当すると判断しています。

  • 不正請求の実施:人員基準を満たしていない状態でありながら、適正な人員配置が行われているものとして訓練等給付費を請求し、不当に受領していたことが確認されました。

⚠️ 三者への実務的・制度的影響の整理

1. 施設(法人)への影響:

最大12か月間の新規利用者受入停止という処分は、法人の内部統制および運営管理体制に重大な課題が認められたことを示す行政判断といえます。
指定申請時の虚偽申請、利用者支援の中断、個人情報漏えいなど複数の法令違反が確認されており、事業継続における信頼性に大きな影響を及ぼしたものと整理されます。

2. 従業員への影響:

本部主導による申請手続きの不備や、人員基準を満たさない体制下での業務継続により、現場職員は不安定な就労環境に置かれていたと考えられます。
また、サービス管理責任者による個人情報漏えいおよび心理的虐待の認定は、専門職としての職責や資格の在り方にも影響を及ぼす事案とされています。

3. 利用者・家族への影響:

十分な協議や調整を経ない支援終了および退去対応により、利用者および家族は生活環境の急激な変化を余儀なくされました。
加えて、個人情報漏えいや心理的虐待と認定された対応は、当事者の心理的負担のみならず、福祉サービス全体への信頼にも影響を与える可能性がある事案と整理されます。

💬 現役スタッフの視点:制度運用上の留意点

グループホームは、利用者にとって生活の拠点となる居住の場です。こうした環境において、十分な協議や調整を行わず支援を終了し退去を求める対応は、利用者の生活基盤に大きな影響を及ぼす可能性があります。

本件では、指定申請時の人員体制に関する虚偽申請を起点として、運営体制の不備、個人情報管理の問題、心理的虐待と認定された事案へと連鎖的に発展した点が確認されています。この経過は、組織的な管理体制の不備が、最終的に利用者支援の質に影響を及ぼす可能性があることを示唆しています。

現場職員にとって、記録の正確性や人員基準の遵守、個人情報の適切な管理は、単なる事務手続きではなく、利用者の生活と尊厳を支える基盤となる重要な業務要素です。本件は、制度運用における基本的なルールの徹底が、支援の質を維持する上で不可欠であることを改めて示した事例だと言えます。


参照元資料(法的根拠):
・神奈川県報道発表(2025年3月28日):指定障害福祉サービス事業所の指定の一部の効力の停止について
別紙:指定の一部の効力の停止の理由(詳細)
・適用法条:障害者総合支援法第50条第1項第3号(人格尊重義務違反)、第4号(人員基準違反)、第6号(不正請求)、第9号(虚偽申請)、第11号(不当不正行為)

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