🚨 行政判断の整理:重大な過失による死亡事故と組織的ガバナンスの欠如
東京都は、社会福祉法人滝乃川学園に対し、障害者総合支援法第50条第1項の規定に基づき、12ヶ月間の指定一部効力停止処分を決定しました。本件は、外出支援中に職員が必要な見守りを怠り、利用者が踏切事故で死亡した重大事案です。都の監査により、9年間にわたる危険な運用の常態化および、管理者の監督責任の著しい欠如が認定されました。
| 対象事業所 | 滝乃川学園成人部(施設入所支援) 📍 東京都国立市谷保6312 |
|---|---|
| 運営法人 | 社会福祉法人 滝乃川学園 |
| 代表者 | 理事長 谷 正行 |
| 処分内容 | 指定の一部の効力停止(新規利用者の受入れ停止 12ヶ月) |
行政処分および事故の経緯
| 事故発生時期 | 令和7年3月8日 |
|---|---|
| 処分決定日 | 2026/02/04 |
| 効力停止期間 | 令和8年2月4日 〜 令和9年2月3日 |
処分の原因となる事実:不適切な外出支援の常態化
東京都の監査および警察等の調査により、以下の事実が認定されました。
- 直接的な過失: 外出支援の際、職員が利用者2名を踏切近くで降車させた後、自身は車内に留まり私的に携帯電話を操作。この間、見守りを受けられなかった40代の利用者が踏切内に進入し、電車にはねられ死亡しました。
- 危険な運用の常態化: 施設内では、必要な見守りを行わずに電車を見学させる等の危険な外出支援が、約9年間にわたり常態化していたことが判明しました。
- 管理監督責任の放棄: 施設管理者がこれらの危険な実態を長期間把握しておらず、かつ事故発生後も有効な再発防止策を徹底できていなかった点が、極めて重い過失として整理されました。
⚠️ 三者への実務的・制度的影響の整理
1. 施設(法人)への影響:
日本初の知的障害者施設としての歴史と信頼が大きく損なわれる事態となりました。12ヶ月(1年間)という長期の新規受入停止は、運営基盤に深刻な影響を及ぼすとともに、東京都による厳しい指導監督が継続されます。
日本初の知的障害者施設としての歴史と信頼が大きく損なわれる事態となりました。12ヶ月(1年間)という長期の新規受入停止は、運営基盤に深刻な影響を及ぼすとともに、東京都による厳しい指導監督が継続されます。
2. 従業員への影響:
勤務時間中の私的スマホ操作という初歩的かつ致命的な倫理欠如が露呈しました。9年間にわたり危険な運用が看過されてきた組織風土の抜本的な改革と、全職員への再教育が不可欠となります。
勤務時間中の私的スマホ操作という初歩的かつ致命的な倫理欠如が露呈しました。9年間にわたり危険な運用が看過されてきた組織風土の抜本的な改革と、全職員への再教育が不可欠となります。
3. 利用者・家族への影響:
尊い命が失われた事実は取り返しがつきません。安全が担保されているはずの福祉サービスにおいて、危険な運用が「日常」となっていた実態に対し、既存利用者および家族の不安は極めて大きく、信頼回復には長い年月を要します。
尊い命が失われた事実は取り返しがつきません。安全が担保されているはずの福祉サービスにおいて、危険な運用が「日常」となっていた実態に対し、既存利用者および家族の不安は極めて大きく、信頼回復には長い年月を要します。
💬 現役スタッフの視点:制度運用上の留意点
外出支援の基本は「対象者から目を離さないこと」です。特に危険が伴う踏切付近において、職員が車内でスマホを操作していたという事実は、専門職としての資質を疑わざるを得ません。最大の問題は、こうした不適切なケアが9年もの間「常態化」していた点です。歴史ある施設であればこそ、慣習が形骸化し、安全基準が麻痺していたのではないかと推察されます。我々現場の人間は、「いつも通り」が「いつも安全」であるとは限らないことを、この痛ましい事故から再確認しなければなりません。
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