【行政処分】三重県津市の『ケア24 なかよし』に対し指定取消処分。名義不正利用による記録偽装と虚偽答弁を認定

🚨 行政判断の整理:三重県津市の訪問介護事業所における指定取消処分

三重県は、当該事業者に対し介護保険法第77条第1項の規定に基づき、指定取消処分を決定しました。本件は、元従業員の名義を不正に使用した長期間にわたる記録の偽装に加え、行政調査に対する虚偽の報告および答弁による事実の隠蔽が認定されたことによる措置です。

対象事業所 ケア24 なかよし
📍 三重県津市雲出長常町1548番地
サービス種別 訪問介護
運営法人 株式会社中川
代表者 中川 博

行政処分内容の整理

処分内容 指定取消
処分決定日 2022/03/22
処分発効日 2022/04/01

処分の原因となる事実:組織的な証跡偽装と隠蔽工作の認定

三重県の監査により、以下の法令違反事実が認定されました。

  • 元従業員名義の不正使用と記録偽装: 平成30年3月から令和2年7月までの間、元従業員が訪問介護員として従事していたかのように記録を偽装し、居宅介護サービス費を不正に請求・受領した事実を確認しました。
  • 虚偽報告の実施: サービス提供の実態がないにもかかわらず、別の従業員が従事していたとする虚偽の訪問者記録を作成し、行政に提出したことが認定されました。
  • 虚偽答弁による事実隠蔽: 監査時において代表者は、実態のないサービス提供分(94件)について、他の従業員が従事していたと主張するなど、事実の隠蔽を図ったことが虚偽答弁として認定されました。

⚠️ 三者への実務的・制度的影響の整理

1. 施設(法人)への影響:
指定取消により、当該事業所は介護保険制度における事業継続資格を喪失します。代表者が自ら不正に関与し隠蔽を図った事実は、法人運営におけるガバナンスの欠如だと考えられます。
(ガバナンス(Governance)は「統治・支配・管理」を意味し、企業が不正を防ぎ、健全で持続的な成長を実現するための組織的な仕組みや体制(コーポレートガバナンス)を指します。)
2. 従業員への影響:
元従業員の名義が不正に使用されたことは、個人の職業的信用を毀損する重大な権利侵害です。また、組織的な虚偽報告は現場職員の職業倫理および労働環境の適正維持を著しく阻害する要因となります。
3. 利用者・家族への影響:
事業所の強制閉鎖に伴い、利用者は他事業所への速やかな移行を余儀なくされます。実態のないサービスに基づく不適切な請求は、利用者および家族との信頼関係を根本から損なう結果となりました。
💬 現役介護士の視点:制度運用上の留意点

訪問介護において、サービス提供記録は利用者と職員の接点を証明する唯一の法的証拠です。本件のように、元従業員の名義を悪用して記録を偽造し、さらに監査で虚偽の答弁を繰り返す行為は、介護保険制度の信頼性を根底から毀損するものです。実務においては、適正な労務管理と記録の透明性確保が、利用者保護および事業継続の絶対的な前提条件であることを再認識する必要があります。


参照元資料(法的根拠):
・三重県:介護保険事業所の行政処分について(令和4年3月22日)
・適用法条:介護保険法第77条第1項第6号(不正請求)、第7号(虚偽報告)、第8号(虚偽答弁)

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