【和歌山】田辺市の『訪問看護ステーションmomo』に対し3ヶ月の全部停止。他者用抗精神病薬の服薬(虐待)を認定

🚨 行政判断の整理:和歌山県田辺市の訪問看護における指定全部効力停止処分

和歌山県は、当該事業者に対し介護保険法第77条第1項等の規定に基づき、指定の全部効力停止処分を決定しました。本件は、医師の指示を欠いた状態での抗精神病薬の服薬(身体的虐待)が確認されたことによる行政措置です。

対象事業所 訪問看護ステーションmomo(もも)
📍 和歌山県田辺市稲成町219-1
運営法人 株式会社シーヒューマン
(大阪市天王寺区上本町)
代表者 中芝 廉
👥 従業者・利用者統計(※2023年11月公表の過去データ)

※以下の数値は2023年公表時点のものであり、事案発生時の実態とは異なる可能性があります。

職種別人員(常勤換算 4.0人)
看護師(実人数) 6人(常勤 1 / 非常勤 5)
事務員 1人(非常勤)
看護職の経験年数内訳
1年未満 2人(常勤 1 / 非常勤 1)
1年〜5年未満 3人(常勤 2 / 非常勤 1)
5年〜10年未満 1人(常勤 1)
10年以上 0人
利用者状況(合計 26人)
要支援1・2 / 要介護1 2人 / 8人
要介護2 / 3 0人 / 6人
要介護4 / 5 6人 / 4人
年齢構成(80歳以上) 21人(80代 13 / 90歳以上 8)

行政処分内容の整理

処分内容 指定の全部の効力の停止(3ヶ月間)
処分決定日 2024/12/18
処分期間 令和7年2月1日 〜 令和7年4月30日

処分の原因となる事実:不適切な薬剤管理および身体的虐待の認定

和歌山県の監査により、以下の法令違反事実が認定されました。

  • 医師の指示を欠いた投薬: 当該事業所の管理者および看護職員が、利用者に対し、医師による具体的な指示がない状態で薬剤を服薬させました。
  • 他者用薬剤の流用: 服薬させた薬剤は、当該利用者ではなく、他の利用者に処方された「抗精神病薬」であったことが確認されました。
  • 身体的虐待の認定: これらの行為は管理者の判断で組織的に行われており、高齢者虐待(身体的虐待)に該当するものと行政により判断されました。

⚠️ 三者への実務的・制度的影響の整理

1. 施設(法人)への影響:
指定の全部効力停止により、3ヶ月間にわたり全ての事業運営および報酬請求が停止されます。大阪に拠点を置く運営法人のガバナンス体制が問われる事案です。
2. 従業員への影響:
管理者および看護職員による直接的な関与が認定されており、医療専門職としての職業倫理および法令遵守意識の著しい欠如が課題として整理されます。
3. 利用者・家族への影響:
80歳以上の高齢者が約8割を占める利用環境において、不適切な投薬による健康被害リスクが生じました。処分期間中は全利用者が他事業所への移行を余儀なくされる実務的・心理的負担が生じます。
💬 現役介護士の視点:制度運用上の留意点

訪問看護における投薬管理は、常に医師の指示書に基づくことが大前提です。他者の薬剤を管理者の独断で流用する行為は、医療事故に直結するだけでなく、ケアの本質から著しく逸脱した「管理・支配」の形であり、身体的虐待と認定されるのは当然の結果と言えます。実務においては、10年以上のベテラン層が不在であった人員構成上のリスクも含め、専門職が相互にチェック機能を発揮できる組織文化の醸成が不可欠であることを痛感させられます。


参照元資料(法的根拠):
・和歌山県報道発表:指定訪問看護事業所に対する行政処分について
・介護サービス情報公表システム 事業所基本情報(2023年11月公表分)
・適用法条:介護保険法第77条第1項第5号(人格尊重義務違反)等

※用語解説はこちら

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