🚨 行政判断の整理:大規模な架空請求および組織的な証拠隠蔽による即時指定取消
群馬県は、株式会社一文字堂が運営する訪問介護事業所「かいご義塾」に対し、介護保険法に基づき指定取消処分(2023年4月10日付)を決定しました。指定から約2年足らずで、利用者27名に対する架空請求や各種加算の不正受領など、総額約5,159万円の不正が認定されました。監査時には虚偽の出勤簿やシフト表を捏造して提出するなど、極めて悪質な隠蔽工作が判明しています。
対象事業所の概要
| 対象事業所名 | かいご義塾 |
|---|---|
| 所在地 | 群馬県渋川市八木原1190-1 📍 地図を確認 |
| サービスの種類 | 指定訪問介護 |
運営法人の情報
| 法人名 | 株式会社一文字堂 |
|---|---|
| 所在地 | 群馬県渋川市八木原1190-1 |
| 代表者 | 確認できません |
行政処分データ:処分の詳細
| 処分の内容 | 指定の取消し |
|---|---|
| 処分決定日 | 2023年4月10日 |
| 指定取消日 | 2023年4月10日 |
| 不正受領額 | 51,598,354円(概算) |
| 返還命令額 | 計 72,237,695円 (加算金40%を含む見込み) |
本件の違反内容(行政資料ベース)
違反類型:不正請求、虚偽報告、運営基準違反(不正不当)
- 不正請求(架空請求): サービス提供を行っていないにもかかわらず虚偽の提供記録を作成。利用者27名に対し計約3,803万円を不正受領した。
- 加算の不正請求: 「特定事業所加算1」の要件未達を知りながら請求。また「処遇改善加算」を職員以外の者に支給したほか、実績報告を上回る額で虚偽申請した(計約1,356万円)。
- 証拠書類の捏造(虚偽報告): 監査開始後、勤務していない職員の「出勤簿」や「シフト表」を捏造して提出。前管理者の出勤簿について、正規のものとは別に虚偽のものを作成し提出した。
- 不正不当な行為: 特定事業所加算の算定要件である「サービス提供責任者からの指示」があったとする架空の「指示書」を組織的に作成した。
⚠️ 行政処分が及ぼす実務的影響の整理
今回の事案で最も戦慄を覚えるのは、「監査対策として二重の出勤簿を作成していた」という点です。これは単なる事務ミスや無知ではなく、行政のチェック機能を意図的に無力化しようとする、制度の根幹への攻撃です。
処遇改善加算を「職員ではない者に支給した」という点も致命的です。現場で働く介護士の処遇を良くするための公費を、実態のない請求の道具として扱う行為は、日々誠実に働く全介護職員への裏切りに他なりません。
わずか2年足らずで5,000万円を超える不正を行えるという事実は、裏を返せばそれだけ管理体制が一切機能していなかったことを示しています。管理者においては、日々の記録が利用者様の生活と、事業所の運命そのものを握っている公文書であることを、この事例から再認識すべきです。
本記事は行政機関が公表した情報を整理したものであり、現在の運営状況や評価を示すものではありません。
・群馬県公式発表:指定居宅サービス事業者の指定の取消しについて(2023年4月10日)
⚖️ 法的な背景解説:介護保険法第77条に基づく指定取消
■ 該当条文:介護保険法 第77条 第1項
1. 第6号(不正請求)、第7号(虚偽報告)、第11号(不正不当):
架空請求、監査時の出勤簿等の捏造、および実態のないサービス記録・指示書の作成など、複合的かつ極めて悪質な法令違反が該当します。
2. 処分の重さ(指定取消)の根拠:
約1年半にわたる継続的な架空請求、総額5,000万円を超える極めて巨額な被害、および二重帳簿作成という組織的かつ悪質な証拠隠蔽が認定されたため、改善勧告等の余地なく即時の指定取消しが相当と判断されました。
3. 返還+40%加算の根拠(法第22条第3項):
不正に受領した介護給付費の返還に加え、その額の100分の40を乗じて得た額(加算金)を徴収することが定められています。
4. 再発防止プロセス:
明確な根拠が確認できません(指定取消処分のための手続き完了をもって、当該事業所としての法的地位は消滅しています)。

コメント