🚨 行政判断の整理:給付管理の逸脱および特定加算金の目的外運用に伴う処分
千葉県は、社会福祉法人博和会(現:社会福祉法人陽だまり)が運営する「わたぼうし」に対し、障害者総合支援法第50条第1項第5号等の規定に基づき、指定の一部効力停止処分を決定しました。本件は、支給決定枠を超えた請求、不在日の架空請求、および処遇改善加算を対象外職員の賃金へ充当していた事実が認定されたことによる措置です。
| 対象事業所 | わたぼうし(短期入所) |
|---|---|
| 運営法人 | 【現】社会福祉法人 陽だまり (処分時:社会福祉法人 博和会) |
| 代表者 | 理事長 田口 寛正 |
| 所在地 | 【現】千葉県袖ケ浦市戸国飛地398番地1 (処分時:千葉県袖ケ浦市戸国飛地字西新田382番地1) |
行政処分内容の整理
| 処分内容 | 指定の効力の一部停止(3ヶ月間) |
|---|---|
| 処分決定日 | 2020/06/12 |
| 効力停止期間 | 令和2年6月13日 〜 令和2年9月12日 |
処分の原因となる事実:認定された法令違反事項
千葉県の監査により、平成27年4月から平成30年10月までの期間における以下の事実が給付費の不当請求として認定されました。
- 支給決定枠の超過請求: 月23日の支給決定を受けていた利用者に対し、決定日数を超過した分についても給付費を請求し受領した。
- 一時帰宅日の架空請求: 利用者が事業所に不在であった日について、短期入所および生活介護を提供したとして給付費を計上した。
- 処遇改善加算の目的外流用: 福祉・介護職員処遇改善加算として受領した公金を、本来の対象ではない障害福祉サービス従業者以外の者の賃金に充当し、加算要件を逸脱した。
⚠️ 制度運営上の課題と社会的影響の整理
1. 法人体制の刷新と再編:
本件処分後、当該法人は名称を「社会福祉法人陽だまり」へと変更し、所在地も隣接地へと移転しています。組織名および拠点を一新し、運営体制の再構築を図った経緯が確認されます。
本件処分後、当該法人は名称を「社会福祉法人陽だまり」へと変更し、所在地も隣接地へと移転しています。組織名および拠点を一新し、運営体制の再構築を図った経緯が確認されます。
2. 加算運用の適正化:
現場職員の処遇改善を目的とした特定財源(処遇改善加算)の不適切運用は、制度の根幹に関わる課題です。算定要件の厳格な遵守が、適正な労務管理の維持に不可欠であることを示す事例となりました。
現場職員の処遇改善を目的とした特定財源(処遇改善加算)の不適切運用は、制度の根幹に関わる課題です。算定要件の厳格な遵守が、適正な労務管理の維持に不可欠であることを示す事例となりました。
3. 実績管理の透明性:
上限超過請求や不在日の請求は、給付管理の不全を示唆するものです。地域資源としての信頼回復には、客観的な記録に基づいた透明性の高い管理体制の構築が求められます。
上限超過請求や不在日の請求は、給付管理の不全を示唆するものです。地域資源としての信頼回復には、客観的な記録に基づいた透明性の高い管理体制の構築が求められます。
💬 現役介護士の視点:制度運用上の留意点
処遇改善加算は、本来、介護や支援に直接関わる職員の待遇を良くするための制度です。今回の事案では、この加算金が対象外の職員にも支給されており、結果として返還命令を受けることになりました。こうした対応は、単なる金銭的な問題にとどまらず、法人全体のルール遵守体制に対する信頼を大きく損なうものです。
また、実際に勤務していない日が請求に含まれていたり、支給対象日数の確認が不十分だった点から、内部でのチェック体制が十分に機能していなかった可能性がうかがえます。
法人名を変更するという大きな節目を迎えた今後は、勤務実績の正確な記録と制度ルールの厳守を徹底し、利用者と職員の双方が安心できる安定した運営体制の構築が求められます。
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