🚨 行政判断の整理:いわき市の放課後等デイサービス2事業所における指定取消処分
いわき市は、株式会社あんどが運営する2つの指定障害児通所支援事業所に対し、児童福祉法第21条の5の24第1項の規定に基づき、指定の取消しを決定しました。本件は、新規指定申請段階からの組織的な虚偽報告に加え、長期間にわたる人員基準違反および不正な報酬受領が認定された事案です。返還金は加算金を含め約7,000万円にのぼる見込みです。
1. 対象事業所:放デイ U.AND 舎
| 事業所名 | 放デイ U.AND 舎 |
|---|---|
| サービス種類 | 児童発達支援 / 放課後等デイサービス / 保育所等訪問支援 |
| 所在地 | いわき市常磐湯本町天王崎92番地 湯本ビル2F |
| 不正返還金(見込) | 約 3,000 万円(返還金 2,500万円+加算金 500万円) |
2. 対象事業所:放デイ I.AND 舎
| 事業所名 | 放デイ I.AND 舎 |
|---|---|
| サービス種類 | 児童発達支援 / 放課後等デイサービス |
| 所在地 | いわき市常磐湯本町天王崎1番地の9 天王崎テナント2階 |
| 不正返還金(見込) | 約 4,000 万円(返還金 3,200万円+加算金 800万円) |
法人および処分共通データ
| 運営法人 | 株式会社あんど |
|---|---|
| 代表者 | 田子 恵子 |
| 処分決定日 | 2025/10/15 |
| 処分発効日 | 2026/01/15 |
処分の原因となる事実:不正の手段による指定と組織的虚偽報告
いわき市の監査により、両事業所において以下の法令違反事実が認定されました。
- 不正の手段による指定: 新規申請時において、勤務実態のない、あるいは常勤不可能な者を児童発達支援管理責任者として記載し、不正に事業所の指定を受けていました。
- 著しい人員基準違反: 「I.AND舎」では令和元年9月の開設から令和5年8月までの約4年間にわたり、常勤の責任者を配置していませんでした。「U.AND舎」においても断続的に欠如状態が続いていました。
- 組織的な虚偽報告: 加算要件を満たすよう見せかけるため、非常勤職員を常勤と偽った虚偽の勤務形態一覧表を複数回にわたり市へ提出していました。
- 不正請求の実施: 人員欠如に伴う減算を行わず、かつ不当に「児童指導員等加配加算」等を算定し、給付費を不正に受領していました。
⚠️ 三者への実務的・制度的影響の整理
1. 施設(法人)への影響:
指定取消により、当該法人は障害児福祉サービスにおける事業継続資格を喪失します。合計約7,000万円という巨額の返還命令は、経営基盤の破綻および社会的信用の完全な失墜を意味します。
指定取消により、当該法人は障害児福祉サービスにおける事業継続資格を喪失します。合計約7,000万円という巨額の返還命令は、経営基盤の破綻および社会的信用の完全な失墜を意味します。
2. 従業員への影響:
勤務実態の偽装に関与させられた職員、あるいは実態を知らされずに勤務していた職員の雇用および専門職としてのキャリアに致命的な打撃を与えます。組織的な法令違反は、現場の職業倫理を根本から破壊する行為です。
勤務実態の偽装に関与させられた職員、あるいは実態を知らされずに勤務していた職員の雇用および専門職としてのキャリアに致命的な打撃を与えます。組織的な法令違反は、現場の職業倫理を根本から破壊する行為です。
3. 利用者・家族への影響:
長期間にわたり適切な個別支援計画が作成されていなかった事実は、お子様の発達支援の機会を不当に阻害したと言わざるを得ません。事業所の強制閉鎖に伴い、利用者は急な転所を余儀なくされる実務的・心理的負担が生じます。
長期間にわたり適切な個別支援計画が作成されていなかった事実は、お子様の発達支援の機会を不当に阻害したと言わざるを得ません。事業所の強制閉鎖に伴い、利用者は急な転所を余儀なくされる実務的・心理的負担が生じます。
💬 現役介護士の視点:制度運用上の留意点
放課後等デイサービスにおいて、児童発達支援管理責任者の配置は「支援の質」を担保する最重要要件です。本件のように、申請段階から架空の人員を計上し、4年もの間不在を隠蔽し続けたことは、福祉制度に対する重大な裏切りであり、断じて容認できません。実務においては、形式的な帳簿合わせではなく、実態に即した人員配置と適切な加算算定が、利用者であるお子様の未来を守る唯一の道であることを再認識する必要があります。
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