【大阪府】アイリスケア訪問介護ステーション|不正請求で指定取消(2025年12月処分)

🚨 行政判断の整理:介護保険側の不正に連動し、障害福祉サービスも一発退場

大阪市は、株式会社アイリスに対し、介護保険法および障害者総合支援法に基づき指定取消処分を決定しました。介護保険側での22名におよぶ架空請求と記録捏造を重く見て、障害福祉サービス側(居宅介護・重度訪問介護)についても、返還金が発生していないにも関わらず連動して指定を取り消すという極めて厳しい判断を下しました。

対象事業所の概要

対象事業所名 アイリスケア訪問介護ステーション
所在地 大阪府大阪市浪速区恵美須西一丁目4番8号 2階
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運営法人 株式会社アイリス(代表取締役:鎌田 香世子)

行政処分データ:返還金と処分の内訳

処分の内容 全サービス指定取消(令和8年1月1日付)
介護保険側返還金 22,750,156円(加算金40%を含む)
生活保護側返還金 4,127,032円(加算金40%を含む)
障害福祉側返還金 0円(返還金なしでの指定取消)
返還命令合計額 計 26,877,188円(概算)

処分の背景:「返還金ゼロ」でも許されない組織的背信

本件の最大の特徴は、障害福祉サービス側で直接的な不正請求が確認されていないにも関わらず、指定が取り消された点にあります。

  • 介護保険側の悪質性: 利用者22名への2年以上にわたる架空請求に加え、監査時に捏造した電子記録を提出するという隠蔽工作が認定された。
  • 障害福祉側の「連動処分」: 介護保険側での不正が、法人の運営姿勢そのものの欠格を意味すると判断。一体的に運営されている障害福祉サービスについても「その他法令違反」として、返還金計算を待たず即時の取消しが下された。
  • 管理責任の放棄: 管理者が現場の法令遵守を全く把握しておらず、指揮命令系統が完全に破綻していたことが全ての根底にあると整理される。

⚠️ 行政処分が及ぼす実務的影響の整理

1. 法人・経営陣への影響:全福祉事業からの完全追放 返還金がないサービスも含めて全て取り消されたことにより、法人は「福祉事業を行う適格性がない」と公認された形になります。代表者は今後5年間、全サービスにおいて再指定を受けることが不可能な「欠格事由」に該当します。
2. 現場スタッフへの影響:組織全体の連帯責任 「自分の担当(障害福祉)では不正をしていない」というスタッフであっても、組織全体の不正により雇用を失うことになります。電子記録の捏造という「確信犯的」な環境にいた事実は、今後の再就職においても重い課題となります。
3. 利用者・家族への影響:三制度すべての利用者が影響 介護、障害、生活保護のどの制度を使っている利用者も、年明け早々にサービスが断絶します。特に障害福祉利用者は、不正の直接被害がなくとも「法人の信用失墜」により、急な転所を余儀なくされる実務的不利益を被ります。
💬 現役介護士の視点:返還金0円が物語る「行政の堪忍袋」

今回の事案で最も注目すべきは、障害福祉サービス側の返還金が「ゼロ」である点です。通常、行政は返還金額を確定させるために精査を続けますが、今回はそれを待たずに「介護側の不正だけで一発退場」という判断を下しました。

これは、電子記録を捏造して監査を欺こうとした行為が、行政にとって「お金の問題以前に、この法人は福祉に関わらせるべきではない」と判断させた証拠と言えます。一体的運営をしている場合、一箇所の汚れが全体を腐らせるという、実務上の「連鎖」の怖さを象徴するケースです。

「うちは障害福祉だから大丈夫」という甘い考えは通用しません。組織全体のガバナンスが一つでも崩れれば、真面目に働いている他部門のスタッフの雇用すら守れないという、重い教訓と整理すべきでしょう。


※用語解説はこちら


参照元資料:
・大阪市公式発表(令和7年12月15日)
大阪市監査結果資料(参照URL)

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