🚨 行政判断の整理:架空請求の認定と「時効」による返還逃れが浮き彫りになった一部効力停止
山梨県甲斐市は、株式会社おお空が運営する地域密着型通所介護「デイサービスおお空」に対し、介護保険法に基づく3箇月間の指定の一部効力停止(新規受入停止および報酬上限9割への減額)を決定しました。利用者1名に対して、実際の利用がない日(26日分)の介護報酬等を不正に請求した事実が認定されています。不正請求総額は約24万円に上りますが、介護保険法の規定(時効)により、実際の返還請求は約8万円にとどまっています。
②-1 「デイサービスおお空」の事業所情報
| 対象事業所名 | デイサービスおお空 |
|---|---|
| 所在地 | 山梨県甲斐市篠原1899番地3 📍 地図を確認 |
| サービスの種類 | 指定地域密着型通所介護 |
②-2 運営法人「株式会社おお空」の情報
| 法人名 | 株式会社おお空 |
|---|---|
| 所在地 | 山梨県甲斐市篠原1899番地3 |
| 代表者 | 代表取締役 志村 直美 |
「デイサービスおお空」への行政処分データ
| 処分の内容 | 指定の一部効力停止 (新規受入停止・報酬上限9割:3箇月) |
|---|---|
| 処分決定日 | 令和5年(2023年)2月24日 |
| 一部効力停止期間 | 令和5年3月1日 〜 令和5年5月31日 |
| 不正受領総額 | 249,192円 (市が認定した事実上の被害総額) |
| 実際の返還請求額 | 80,287円 (※時効により直近2年分のみ対象。加算金40%を含む) |
「デイサービスおお空」における違反内容
違反類型:不正請求(架空請求)
- 利用実績のない架空請求: 平成31年2月から令和3年3月までの長期間にわたり、利用者1名に対して、実際に利用がない日(計26日分)の介護報酬を不正に請求し、受領した。
- 加算の架空請求: 上記の架空の利用日に付随して、実施していない「入浴介助加算(2回分)」も含めて不正に請求していた。
⚠️ 行政処分が及ぼす実務的影響の整理
通所介護(デイサービス)において、「利用者が来ていないのに、来たことにして請求する(架空請求)」という行為は、事務的なミスでは到底説明がつかない、意図的で悪質な詐欺的行為です。さらには、入浴介助加算まで水増しして請求しており、公費と利用者の自己負担金を軽く見る姿勢が顕著に表れています。
本件でさらに注目すべきは、またしても「時効による返還逃れ(逃げ得)」が発生している点です。行政の調査で「約24万9千円」の不正請求が確認されながらも、介護保険法の規定(2年の消滅時効)により、市が法的に返還請求できたのは「約8万円(加算金含む)」に過ぎませんでした。残りの不正受領分は、法人の懐に入ったまま回収できない状態となっています。
被害額の大小にかかわらず、「不正を長期間隠し通せば返還義務を免れる」という現行制度の矛盾は、適正な運営に努める大多数の事業所にとって到底納得できるものではなく、不正事業者を利する仕組みになってしまっていることに強い憤りを感じざるを得ません。
本記事は行政機関が公表した情報を整理したものであり、現在の運営状況や評価を示すものではありません。
よくある質問(FAQ)
・山梨県甲斐市公式発表:介護保険法に基づく行政処分について(令和5年2月24日)
⚖️ 法的な背景解説:介護保険法に基づく一部効力停止と時効
■ 該当条文:介護保険法 第78条の10 第1項 第8号(地域密着型サービス)
1. 第8号(不正請求):
事業者が「介護給付費の請求に関し不正があったとき」に該当します。利用実績のない架空の日にサービスを提供したと偽り、報酬や加算を請求する行為がこれに当たります。
2. 「指定の一部効力停止」の内容:
本件では、新規利用者の受入停止(3ヶ月)だけでなく、期間中の全既存利用者に対する介護報酬が「9割(1割減算)」に制限される措置が併せて命じられました。これにより事業所の収益に直接的なペナルティが課されます。
3. 返還金と消滅時効(法第200条第1項等):
不正受給に対する返還義務(+40%の加算金)が課されますが、公金の徴収権の消滅時効(実務上2年を適用)の壁が存在し、市は「不正利得の返還請求権で請求できる2年分の金額」のみを徴収したと公式に明記しています。

コメント