【鳥取県】就労継続支援B型 ひまわりが行政処分|架空記録による不正請求等で指定取消(2026年3月16日発表)

🚨 行政判断の整理:架空の利用記録・出勤記録を用いた不正請求および組織的隠蔽に伴う指定取消

鳥取県は、株式会社ひまわりが運営する就労継続支援B型事業所「ひまわり(米子市)」に対し、障害者総合支援法に基づく指定取消処分(令和8年5月31日付)を決定しました。支援記録が存在しない日の請求や、職員が出勤していない日・利用者が利用を否定している日を「利用した」と偽って給付費を不正受給した事実が認定されました。さらに、代表者および管理者がこれら虚偽記録の作成を看過していた「組織的機能不全」が極めて悪質であると判断されています。

「ひまわり」の事業所情報

対象事業所名 ひまわり
所在地 鳥取県米子市長砂町719番地3
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サービスの種類 就労継続支援B型(定員20人)
指定年月日等 平成24年7月1日指定
(管理者:三宅 まりえ)

運営法人「株式会社ひまわり」の情報

法人名 株式会社ひまわり
所在地 鳥取県米子市長砂町719番地3
代表者 代表取締役 豊島 隆司

「ひまわり」への行政処分データ

処分の内容 指定の取消し
指定取消年月日 令和8年5月31日
(※既存利用者の引継ぎ・調整期間として猶予を設定)
不正受給額(認定額) 583,700円
返還対象について 支給決定権者(米子市・境港市・安来市)が関係法令に基づき返還を求めます。
(※公表資料に基づき不正受給額のみを記載しています)

「ひまわり」における違反内容|架空請求・虚偽記録・組織的隠蔽

違反類型:不正請求、不正又は著しく不当な行為

  • 架空の利用記録による不正請求: 令和7年4月から11月までの間、利用者15名分(延べ65日間)について架空請求を行った。手口の内訳は以下の通り。
    ① 支援記録が全くない日の請求(8名/19日分)
    ② 記録に記載された職員が実際には出勤していなかった(9名/29日分)
    ③ 記録上は「利用した」ことになっているが、利用者本人等から「利用していない」と否定された(6名/17日分)
    ※対象利用者人数は一部重複あり
  • 組織的隠蔽(著しく不当な行為): 令和7年10月・11月の土曜日において、実際には利用していないにもかかわらず虚偽の利用記録・支援記録を作成していた。代表取締役と管理者はこの虚偽記録の作成を看過し、点検や是正を行わなかった。行政はこれを「組織全体としての機能不全」と厳しく認定した。

⚠️ 行政処分が及ぼす実務的影響の整理

1. 事業所・法人への影響: 指定取消処分により、5月31日をもって事業の継続は不可能となります。不正に受給した給付費の返還義務を負うとともに、法人の役員および管理者は「欠格事由」に該当し、原則として処分の日から5年間は障害福祉サービス事業所の指定を受けることが法的に禁じられます。
2. 従業員への影響: 事業所の閉鎖に伴い、従業員は雇用を失います。休日の出勤記録の偽装や、架空の支援記録の作成に直接関与・加担していた職員がいる場合、その法的・倫理的責任が問われる可能性があります。
3. 利用者・家族への影響: 現在利用している35名もの障害当事者が、5月末までに新たな就労先(活動の場)を探し、移行しなければなりません。利用者本人からの聴き取り(利用していないとの証言)が処分の決め手の一つとなっており、事業所が利用者の信頼を大きく損ねていたことがうかがえます。
💬 現役介護士の視点:看過された土曜日の架空請求と「利用者の証言」

就労継続支援B型における不正請求の事案ですが、本件で最も悪質なのは「職員が出勤していない日」や「土曜日」など、客観的にサービス提供が不可能な日を狙って架空の記録を捏造していた点です。さらに、トップである代表や管理者がそれをチェックせず「看過」していた事実は、暗黙の了解(あるいは組織的な指示)があったと見なされても不思議ではありません。

また、監査の過程で「利用者本人から利用の否定があった」という点は非常に重要です。利用者が「自分はその日行っていない」と証言したことで、施設の嘘が完全に暴かれた形です。行政と自治体が合同で念入りな調査・聴き取りを行った結果が、この指定取消に繋がりました。

処分決定から取消日(5月31日)まで期間が空いているのは、被害者である35名の利用者が路頭に迷わないよう、別の事業所へ移るための「準備期間」を行政があえて確保した結果です。福祉のインフラとしての責任を放棄した法人に対する、行政の適切かつ厳しい判断と整理できます。


本記事は行政機関が公表した情報を整理したものであり、現在の運営状況や評価を示すものではありません。

よくある質問(FAQ)

Q1. なぜ処分決定から指定取消日(5月31日)まで期間が空いているのですか?
A. 即日で指定を取り消して事業所を閉鎖してしまうと、現在通っている多数の利用者(本件では35名)が突然行き場を失ってしまいます。そのため、行政が市町村等と連携し、利用者が別の事業所へ円滑に移行(転所)するための調整期間として、あえて数か月先の取消日を設定するケースがあります。

⚖️ 法的な背景解説:障害者総合支援法に基づく指定取消

■ 該当条文:障害者総合支援法 第50条 第1項

1. 第6号(不正請求):
事業者が「訓練等給付費等の請求に関し不正があったとき」に該当します。利用していない日にサービスを提供したと偽る架空請求がこれに当たります。

2. 第11号(不正又は著しく不当な行為):
事業に関し不正または著しく不当な行為をした場合に該当します。本件では、土曜日の架空利用記録の作成を代表や管理者が看過し、組織的な機能不全に陥っていたことが「著しく不当」と判断されました。

3. 返還の根拠(法第8条第2項等):
偽りその他不正の行為により自立支援給付を受けた者から、市町村は支払い済みの額の返還を求めることが規定されています。

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