【広島市】放課後等デイ3事業所を指定取消 虚偽書類による不正請求で返還額約2億1,000万円(2026年3月処分)

🚨 行政判断の整理:虚偽書類による障害児通所給付費の不正請求で3事業所を指定取消 返還請求額は約2億1,000万円

広島市は、株式会社ウェブ・エージェンシーが運営する放課後等デイサービス 「KAIZUKA療育センター五日市」「KAIZUKA療育センター楽々園」「KAIZUKA療育センターハナミズキ」 の3事業所について、指定取消処分を行いました。 本来の利用日や利用事業所とは異なる利用者を記載した虚偽書類を作成し、 障害児通所給付費を不正に請求・受領していたほか、一部事業所では減算が必要な状態を 虚偽書類で隠し、減算せずに請求していたとされています。 広島市は、加算額を含め約2億1,000万円の返還を求めるとしています。

対象事業者の概要

事業者名 株式会社 ウェブ・エージェンシー
所在地 広島市東区上温品四丁目33番30-609号
代表者 代表取締役 佐々木 健二

指定取消となった3事業所の情報

事業所名 KAIZUKA療育センター五日市
所在地 広島市佐伯区五日市二丁目6番4号
サービス種類 放課後等デイサービス
指定年月日 平成29年1月1日
事業所名 KAIZUKA療育センター楽々園
所在地 広島市佐伯区五日市中央四丁目5番6号
サービス種類 放課後等デイサービス
指定年月日 令和2年4月1日
事業所名 KAIZUKA療育センターハナミズキ
所在地 広島市佐伯区千同二丁目1番15号-2F
サービス種類 放課後等デイサービス
指定年月日 令和3年8月1日

行政処分データ

処分内容 指定取消
処分理由 不正請求
根拠法令 児童福祉法第21条の5の24第1項第6号
処分年月日 令和8年3月18日
指定取消年月日 令和8年4月30日(指定の効力が消滅する日)
返還請求額 約2億1,000万円(精査中)
内訳:不正請求額 約1億5,000万円 / 加算額 約6,000万円

違反内容|虚偽書類による不正請求と減算逃れ

違反類型:不正請求、虚偽書類作成、減算逃れ

  • 虚偽の利用記録による不正請求: 3事業所すべてにおいて、本来の利用日や利用事業所とは異なる利用者を記載した虚偽書類を作成し、障害児通所給付費を不正に請求・受領していました。
  • 減算が必要な状態の隠蔽: 「KAIZUKA療育センター五日市」と「KAIZUKA療育センターハナミズキ」では、減算が必要な状態にあったにもかかわらず、虚偽書類により減算不要であるように装い、減算せずに請求していました。
  • 長期間・複数事業所に及ぶ不正: 単独事業所のミスではなく、同一事業者が運営する複数の放課後等デイサービスで不正が認定されており、組織的な管理体制の問題が強く疑われます。

⚠️ 行政処分が及ぼす実務的影響の整理

1. 事業者への影響: 3事業所すべてが指定取消となることで、放課後等デイサービス事業の継続は困難になります。さらに、約2億1,000万円という巨額の返還請求は、法人経営に極めて重大な打撃を与えます。
2. 従業員への影響: 指定取消により、現場で働く職員は雇用や配置転換の問題に直面します。不正請求が複数拠点で行われていた場合、現場だけでなく法人全体の管理責任も問われることになります。
3. 利用児童・保護者への影響: 放課後等デイサービスは生活支援や発達支援の継続性が重要です。指定取消により、利用児童と保護者は代替事業所の確保を急ぐ必要があり、日常生活や療育計画に大きな影響が及ぶ可能性があります。
💬 現役介護士の視点:単発のミスではなく、請求構造そのものが歪んでいた可能性

今回の事案は、単なる事務処理ミスとして片付けられる内容ではありません。本来の利用日や利用事業所と異なる利用者を記載した虚偽書類を作成していた点からみても、請求の前提となる記録そのものが崩れていたことになります。

さらに、一部事業所では減算が必要な状態を隠して請求していたとされており、「実績のねつ造」と「減算逃れ」が重なった構図です。3事業所一斉の指定取消という重い処分は、行政が事業者全体の運営に重大な問題があると判断した結果といえます。

放課後等デイサービスは、障害のある子どもと家族の生活を支える重要な社会資源です。だからこそ、記録と請求の信頼性が崩れた場合のダメージは大きく、処分後の利用児童支援の受け皿確保も重要な課題になります。


本記事は広島市の公式発表をもとに整理したものであり、今後の返還額精査や追加公表により内容が更新される可能性があります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 指定取消になると、利用中の子どもはどうなりますか?
A. 指定取消後は原則としてその事業所で給付費対象サービスを継続することができなくなるため、他の放課後等デイサービス等への切り替えが必要になります。保護者や相談支援機関にとっては大きな負担となります。
Q2. 「加算額 約6,000万円」とは何ですか?
A. 児童福祉法第57条の2第2項に基づき、不正請求額に40%を乗じた額を加算して返還請求する仕組みです。今回は不正請求額約1億5,000万円に対し、約6,000万円が加算されています。

⚖️ 法的な背景解説:児童福祉法に基づく指定取消の考え方

■ 根拠条文:児童福祉法第21条の5の24第1項第6号

放課後等デイサービスなどの障害児通所支援事業者が、偽りその他不正の行為により 通所給付費の支給を受けた場合、行政は指定取消または効力停止の処分を行うことができます。

1. 虚偽書類による請求:
本来の利用実績と異なる内容で書類を作成し、障害児通所給付費を請求する行為は、 典型的な「不正請求」にあたります。

2. 減算逃れ:
本来は減算が必要な状態であるにもかかわらず、虚偽書類で減算不要と装う行為も、 制度の適正運用を根本から損なう重大な違反です。

3. 返還+40%加算:
児童福祉法第57条の2第2項により、不正に受けた給付費の返還に加え、 その40%相当額を加算して徴収する仕組みが設けられています。

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