【愛媛県】障害者就労継続支援事業所ハートフル|架空人員による不正請求で指定取消(2025年3月処分)

🚨 行政判断の整理:架空人員を用いた悪質な偽装による巨額の不正請求に伴う指定取消

愛媛県は、特定非営利活動法人ベルクリンが運営する就労継続支援A型事業所「障害者就労継続支援事業所ハートフル」に対し、障害者総合支援法に基づく指定取消処分(令和7年4月30日付)を決定しました。勤務実態のない者を生活支援員や指導員として配置していると偽り、施設外就労に係る給付費や加算を不正に請求・受領した事実が認定されました。不正受領額は約2,900万円に上ります。

「障害者就労継続支援事業所ハートフル」の事業所情報

対象事業所名 障害者就労継続支援事業所ハートフル
所在地 愛媛県東温市南方1888番地3
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サービスの種類 就労継続支援A型(定員20名)

運営法人「特定非営利活動法人ベルクリン」の情報

法人名 特定非営利活動法人ベルクリン
所在地 愛媛県東温市野田2丁目8番地4
代表者 理事長 塩崎 健二

「障害者就労継続支援事業所ハートフル」への行政処分データ

処分の内容 指定の取消し
処分決定日 令和7年3月24日
指定取消日 令和7年4月30日
不正受領額 約29,000,000円(県試算額)

「障害者就労継続支援事業所ハートフル」における違反内容

違反類型:不正請求

  • 架空人員を用いた給付費の不正受給: 勤務実態がない者を「生活支援員等」として配置していると偽り、施設外就労における職員配置数を満たしていない日について、令和2年度までは「施設外就労加算」、令和3年度以降は「訓練等給付費」を不正に請求し、受領した。
  • 加算の架空請求: 勤務実態がないにもかかわらず、「賃金向上達成指導員」を配置していると偽り、同指導員配置加算を不正に請求し、受領した。

⚠️ 行政処分が及ぼす実務的影響の整理

1. 施設(法人)への影響: 指定取消により事業所の運営は不可能となります。また、悪質な不正請求に該当するため、法人の役員や管理者は欠格事由に該当し、指定取消の日から5年間は障害福祉サービス事業の指定を受けることが法的に禁じられます。
2. 従業員への影響: 事業所の閉鎖に伴い、所属する従業員は職を失います。架空の勤務記録の作成や不適切な請求業務に関与した職員がいる場合、その法的・倫理的責任が厳しく問われることになります。
3. 利用者・家族への影響: 就労継続支援A型は、利用者と事業所が「雇用契約」を結んで働く場です。指定取消による閉鎖(4月30日)に伴い、利用者は急遽解雇され、新たな就労先や福祉サービスを探さねばならず、収入面や生活リズムに甚大な被害を受けます。
💬 現役介護士の視点:架空人員による隠蔽と「施設外就労」のリスク

障害福祉サービスにおいて、勤務していない人物の名前を使って書類上だけ人員を満たしているように見せかける「架空人員の配置」は、古典的な不正手法の一つです。これは単なる計算ミスではなく、公費を騙し取る明確な「意図」を持った行為として行政に判断されます。

特に本件で問題なのは、それが「施設外就労」において行われていた点です。施設外の一般企業等に出向いて作業を行う場合、利用者の安全と適切な指導を確保するために、同行する職員の配置が厳格に求められます。ここに職員がいない(または足りない)状態で利用者を働かせていたとすれば、安全配慮義務の観点からも危険な運営状態であったと言えます。

数年間にわたり制度を悪用し続けた実態から、「指定取消(市場からの退場)」という最も重い処分は当然の帰結であると整理できます。


本記事は行政機関が公表した情報を整理したものであり、現在の運営状況や評価を示すものではありません。


⚖️ 法的な背景解説:障害者総合支援法に基づく指定取消

■ 該当条文:障害者総合支援法 第50条 第1項 第6号

1. 第6号(不正請求):
事業者が「訓練等給付費等の請求に関し不正があったとき」に該当します。架空の人物を配置しているように書類を偽造し、要件を満たさない給付費や加算を受領する行為がこれに当たります。

2. 返還+40%加算の根拠(障害者総合支援法 第8条 第2項):
偽りその他不正の行為により自立支援給付を受けた者から、その給付額の返還に加え、100分の40を乗じて得た額(加算金)を徴収することが法的に定められています。

3. 再発防止プロセス(欠格事由):
指定取消を受けた法人の役員や事業所の管理者は、指定取消の日から起算して5年間は、障害福祉サービス事業所の指定を受けることができない「欠格事由」に該当します。これにより、悪質な事業者の市場からの排除が担保されています。

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