【千葉県】訪問介護花の木|減算未適用(不正請求)で一部効力停止(2026年3月処分)

🚨 行政判断の整理:過去の「改善命令」を無視し、減算未適用(不正請求)を継続したことによる一部効力停止

千葉県は、合同会社森の家が運営する「訪問介護花の木」に対し、介護保険法に基づく3か月間の指定の一部効力停止(新規利用者の受入停止)を決定しました。同事業所は令和7年8月に行政から「高齢者虐待防止措置の未実施」や「併設施設との一体的な運営(人員・経理)」について改善命令を受けていたにもかかわらず、義務化されている「高齢者虐待防止措置未実施減算」や「同一建物減算」を一切適用せず、介護報酬を不正に満額請求し続けていた事実が認定されました。不正請求の概算総額は約273万円に上ります。

「訪問介護花の木」の事業所情報

対象事業所名 訪問介護花の木
所在地 千葉県匝瑳市西小笹和曽根179-3
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サービスの種類 指定訪問介護

運営法人「合同会社 森の家」の情報

法人名 合同会社 森の家
所在地 千葉県匝瑳市新堀字2105番地
代表者 代表社員 シマダ・ジェンジラ
(※令和7年8月の改善命令時の代表社員は 吉田 次夫)

「訪問介護花の木」への行政処分データ(令和8年3月)

処分の内容 指定の一部効力停止
(新規利用者の受入停止:3か月)
処分決定日 令和8年3月12日
一部効力停止期間 令和8年4月1日 〜 令和8年6月30日
不正受領額(概算) 計 2,731,153円
返還命令額 今後、各市町村が精査し請求
(※加算金40%が含まれる見込み)

「訪問介護花の木」における違反内容(令和8年3月認定分)

違反類型:不正請求(各種減算の未適用)

  • 同一建物減算の未適用: 訪問介護の職員が有料老人ホームに常駐し、実質的に施設内事業所となっていた。同一敷地内の居住者へサービスを提供しているため、10%(令和6年11月以降は12%)を減算すべきところ、1年7か月にわたり減算せずに不正請求した。(不正請求額:約255万円)
  • 高齢者虐待防止措置未実施減算の未適用: 高齢者虐待防止のための指針整備等の措置を講じていなかった。この場合、介護報酬を1%減算すべきところ、1年3か月にわたり減算せずに不正請求した。(不正請求額:約17万円)

【過去の履歴】「訪問介護花の木」が受けていた改善命令(令和7年8月)

同事業所は、今回の一部効力停止処分に先立つ令和7年8月15日に、県から「改善勧告」を無視したとして、より重い「改善命令」を受けていました。その際の指摘事項は以下の通りです。

  • 人員基準違反: サービス提供責任者(サ責)が、同法人の有料老人ホームの施設長を兼務しており、専従義務に違反していた。
  • 運営基準違反(管理の欠如): 勤務形態一覧表(シフト表)が作成されておらず、管理者が従業員を全く管理できていなかった。
  • 運営基準違反(虐待防止の不備): 虐待防止のための指針が整備されていなかった。(※これが今回の「減算未適用」の要因)
  • 運営基準違反(経理の混同): 訪問介護と有料老人ホームの経理が区分されておらず、完全に一体化していた。

⚠️ 行政処分が及ぼす実務的影響の整理

1. 施設(法人)への影響: 改善命令を受けてもなお、人員や経理を併設施設と混同し、必要な減算を隠蔽して不正請求を続けていた事実は極めて悪質です。3箇月間の新規受入停止に加え、約273万円の不正受給額に対し、今後は市町村から40%の加算金を上乗せした返還請求(推計約382万円)が行われるため、財務的に大きな打撃を受けます。
2. 従業員への影響: サ責が老人ホームの施設長を兼務し、シフト表すら存在しない環境は、訪問介護事業所としての体をなしていません。「高齢者虐待防止のための指針」すら整備されていなかった事実は、従業員に対する適切な研修や権利擁護の教育が行われていない劣悪な運営環境であることを示しています。
3. 利用者・家族への影響: 減算が適用されていなかった期間中、併設の有料老人ホームの入居者(利用者)は、本来支払うべき額よりも不当に高い自己負担額を毎月支払わされていたことになります(原則として過誤調整等で返還されます)。
💬 現役介護士の視点:改善命令を無視した「確信犯的」な満額請求

今回の事案の最も悪質な点は、「行政からの改善勧告・改善命令を無視し、不正を継続したこと」に尽きます。

令和7年8月の改善命令の時点で、「有料老人ホームとの一体化(サ責の兼務や経理の混同)」と「虐待防止体制の未整備」を明確に指摘されていました。まともな事業所であれば即座に体制を是正しますが、この法人はそれを無視しただけでなく、「同一建物減算」や「虐待防止措置未実施減算」を適用せずに、満額の介護報酬を請求し続けていました。

これは単なる知識不足や事務的なミスではなく、制度のルールを理解した上で意図的に公費を騙し取る「確信犯」です。「一部効力停止」というペナルティが下されましたが、改善命令を無視するような運営姿勢を考慮すれば、指定取消に至ってもおかしくない重大なコンプライアンス違反と整理できます。


本記事は行政機関が公表した情報を整理したものであり、現在の運営状況や評価を示すものではありません。

よくある質問(FAQ)

Q1. 「高齢者虐待防止措置未実施減算」とは何ですか?
A. 介護保険施設や事業所において、虐待防止のための「委員会の開催」「指針の整備」「研修の実施」「担当者の選任」という措置が令和6年4月から完全義務化されました。これらの措置を講じていない場合、基本報酬から「1%減算」しなければならないというペナルティルールです。

介護サービス事業者に対する改善命令について(令和7年8月15日)
⚖️ 法的な背景解説:介護保険法第77条に基づく一部効力停止

■ 該当条文:介護保険法 第77条 第1項 第6号

1. 第6号(不正請求):
指定居宅サービス事業者が「居宅介護サービス費の請求に関し不正があったとき」に該当します。法令で定められた「同一建物減算」や「高齢者虐待防止措置未実施減算」を故意に適用せず、過大な報酬を受領する行為がこれに当たります。

2. 返還+40%加算の根拠(法第22条第3項):
偽りその他不正の行為により介護給付費を受けた者から、市町村は支払い済みの額の返還に加え、その額に100分の40を乗じて得た額(加算金)を徴収することが法的に定められています。

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